だんだん見えてくる   川口 千恵

 「花樗(おうち)空にとけこむほどの色」
 ひまわり俳句会 西池みどりさんの一句ですが,せんだんの木の花のことです。本当に花樗は,このとおりの色なんです。気をつけて見ないと,絶対に見逃してしまいます。空と一体化してしまって全く違和感がありません。
 樗は必ずこの梅雨空の最中に小さな小さな花を重そうな位に咲かせます。この梅雨空がまるで保護色の様に溶けこんで,のんびり咲いています。初めてこの花を見つけた時は,本当に感動しました。いつまでもいつまでもいとおしく眺め入ったのを覚えています。そして何か大きな得をした様な気分になりました。
 それにしても,あれ程せんだんの実の黄色は子供の時からよく遊んで慣れ親しんでいる木であるのに,花に気づかなかったという事が不思議でなりません。
 せんだんの木を見つけたら,ようく見あげてみて下さい。
 ほうら,だんだん見えてきますよ,花樗。

忌部の話 十九 「三種の神器」その二
               尾野 益大

 須佐之男命が八岐大蛇を退治したとき,大蛇の尾から出た神剣「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」は三種の神器の一つ。名古屋の熱田神宮に祀られている。江戸時代,この剣を熱田神宮の神職がひそかに見たという記録がある。
 木箱の中に石の箱があり,さらに石箱の中にクスの木の箱があった。剣はその中にあったという。注目したいのは木箱と石箱の間,石箱とクスの木の箱の間にそれぞれ赤土が埋まっていたという点だ。ご神体の剣を赤土で二重に包んでいたことになる。
 土による埋納法は1992年,徳島市国府町の矢野遺跡でも見られた。弥生集落の穴からほぼ完全な形で出土した長さ97.8センチ,重さ17.5キロの銅鐸(国指定重要文化財,徳島県最大)の埋納状況と同じだったのだ。
 このことは考古学者・森浩一氏が著書「日本神話の考古学」で指摘しており「矢野の銅鐸は美しい土でつつまれていて,現地で見た瞬間,草薙剣の安置法の伝聞を思い浮かべたことはいうまでもない」と記している。
 さらに,島根県の荒神谷遺跡で土に埋納されていた弥生時代の銅剣358本に触れて「赤土でつつむという安置・保管法が熱田神宮での草薙剣の安置法に伝統として根強く受け継がれているのではないか」と続けている。
 神祗令に「およそ践祚の日に,中臣は天神之寿詞を奏せ。忌部は神璽之鏡剣を上せ」と定め,第41代持統天皇の場合に見られたように忌部には古代,鏡と剣を捧げる役割があった。
 「日本霊異記」には徳島市の国府町,古代の名方郡に忌部が住んでいたことを記している。「出雲風土記」「和名抄」にもあるように出雲にも忌部はいた。阿波から渡った伝承もある。土を使った埋納法を通じて草薙剣と銅鐸と忌部,そして阿波との深い関係が理解できる。
 古代阿波(粟)は水銀である朱の産地として有名だった。森氏は水銀が鏡を磨くときに重要な物質だったことも同書で指摘している。三種の神器には「八咫鏡(やたのかがみ)」も含まれる。この鏡は天照大神が天岩戸に籠もったときに造られたという天照大神のシンボル。
 繰り返すが,鏡と剣は践祚の日に忌部が捧げた。真の八咫鏡は伊勢神宮に祀られている。伊勢神宮と忌部も関係は深い。
 「三種の神器」の剣と鏡のルーツは阿波に求められるのではないだろうか。

すべての思いを家族に 46 平均的価値観
何にどの様な価値を認めるかという判断
楽しく生きる価値基準
   田上 豊

 私達は正しく生きる為の教育を受けました。親や先生にそう教えられたのです。正しく生きた人は少ないのです。正しく生きられない自分を責め続けているのです。それで苦悩しているのです。何事も楽しく生きるように変換するのです。自分が楽しければ,周りにも優しくできるのです。楽しく生きることは罪だと思っているのです。
 楽しく生きることを自他共に認めようね。この世に生まれてきたのは楽しく生きるためです。苦悩するために生まれてきたのでは無いのです。楽しく生き幸せに成ったら皆様が真似をするのです。
 昭和17年生まれの私達は貧しい日本を知っています。昭和の価値基準で暮らしてきました。今,平成20年,平成の価値基準を認識しなければなりません。厳しいことを学ぶより,楽しいことを学ぶ時代なのです。
 私達の時代昭和42年は三Cの神器,クーラー,カラーテレビ,カーでした。今は皆揃っています。
 親子の価値観の違いが大きな問題点と成っています。私達親子の価値は経済を重点にしています。その子供に成りますと経済は余り問題にしていません。自己保存を中心に置いています。楽しいことを見て考えなければなりません。
 大人になると誰も褒めてくれない。
 自分の良いところ幾つ有りますか?
 どのくらい自分を褒めていますか?
 自分を褒めてやらないと段々悪くなっていきます。ドンドン自分を褒めてやること良いところをシッカリ増やしていこう。良いところを書き出そう。そして追加していこう自分を喜ばして楽しくしていくのです。楽しくなければ駄目なのです。自分を褒められない人に他人が褒められますか。家族も褒めるのです。自分を褒め,家族も褒めるのです。
 責めるのは練習しないのに上手なのです。自分も他人も責めるのは駄目なのです。全部感謝の連続なのです。人を責めたくなったら,それはその人の個性なのです。自分も個性的なのです。この世の中は色々な個性の人がせめぎ合っているのです。
 自分を褒めて暮らすのです。人に指摘されたらゴメンと謝ったらよいのです。
 頑張れ楽しく生きるために。

初めての海外      芝山 靖二

 私,60歳になって初めて海外に出ます。
 今までは,零細企業の主役で一切行けませんでした。
 半年以上前から,「阿波風」でもお馴染みのスイスの松林さんからお誘いがあり,今日(6月12日)から26日まで15日間出かけます。
 松林君,三村君,私は同じ高校の同級生です。
 今回三村さんも誘われましたが,
「世界で一番良い国日本,その日本でも一番よい所,徳島に居ながらなんでスイスくんだりまで出かけないけないの?」
とのことでした。
 松林さんは,大学卒業後世界中を放浪し,今の奥様,スイスの方ハイデイさんと結婚し,三人の娘さんを授かり,今もスイスで幸福に暮らしています。そこへ3人の同級生と1人の奥さんで出かけていきます。
 海外初めてドンナ珍道中になりますことか。
 次回の「阿波風」で御報告いたします。