忌部の話 二十五 「金属伝承」その二
               尾野 益大

 鉱山には星の神にまつわる伝説が多いようだ。
 例えば,北極星は妙見神に,明星(金星)は虚空蔵神になぞらえられると同時に虚空蔵と妙見神は同体であるという。そして虚空蔵神や妙見神が祀られた山は鉱山であるという。
 虚空蔵神や妙見神は表れないが,興味深いのは星伝説と鉱山があった徳島市の最高峰・中津峰山。弘法大師空海が南麓で,人々に災いを起こした悪い星を落として封じ込めたという「星の岩屋」がある。
 北麓の徳島市多家良町には金山比古神を主祭神とする式内社「山方比古神社」がある。古くは「金谷大明神」と呼ばれた。一帯では金属生産が行われ,神社所蔵物に鉱滓があり,境内に溶鉱炉跡があったという。金属に由来する地名・金谷川も中津峰山頂付近から流れている。多家良町の地名も「宝があった」ことに由来する地名であろう。
 西隣の八多町とは古代氏族の秦氏にちなむ説がある。豊玉比女神が主祭神の式内社「速雨神社」もあり,近辺からは銅鐸が出土している。注目されるのが,北隣の渋野町に5世紀中ごろに築造された徳島県最大の前方後円墳「渋野丸山古墳」(国指定史跡)がある点だ。多々羅川の北岸にあるが,多々羅川とは流域が古来の製鉄法で寺院の鐘を造る人が住んでいたことに由来するからだという。
 渋野丸山古墳の被葬者は,一帯を統治した国造クラスの墓であることは間違いない。秦氏との関連は分からないが,金属と忌部との関係を考えると忌部一族の墓ではないだろうか。
 よく似た例で,金比羅宮がある香川の大麻山の麓には忌部が祭祀をした大麻神社がある。銅鐸も出ている。有岡古墳群(国指定史跡)もある。北麓には金の文字が付く金倉川が流れている。金属も採れた山かもしれない。金比羅とは従来,「ワニや鯨であるkumbhira」からきたとされるが,インド最大の財宝神「kuber」に由来する説もあり,総合的に考えると後者に軍配が上がりそうだ。

 禁 煙          芝山 靖二

 今年6月27日スイス旅行から帰ってきた。この事もスイス旅行の良かった点にしようと42年間吸うてきたタバコを,旅行を記念に禁煙することにした。
 羽ノ浦駅で家内の迎えを待つ間,最後の一本を吸うて,今日現在163日目,ただの1本も吸うていない。
 禁煙する前は1か月もすれば,ニコチンが切れてゼンゼン吸いたくなくなると思っていた。
 それが163日経った今も,禁煙始めた次の日とゼンゼン変わらない。
 人によっては,2か月もすれば,全く吸いたくなくなる人もいるそうですが,人それぞれのようである。
 タバコを一箱千円にすれば,一兆円の増税になるそうです。
 千円にすれば,しばらくは大勢の方がやめるが,又吸い始める人がかなりのパーセンテイジいるそうで,それも試算の入っているそうである。

もっとうれしく思うこと 橋本 節子

 妹が「いつもお姉さんにお世話に成っているから…」と,丹波に連れて行ってくれました。
 お互いに共働きで毎日忙しく,ゆっくり会って話をしている間もないので,会うなりこの時とばかりしゃべりだし……。道中も笑い転げてあっという間の楽しい旅行でした。
 帰り際,「ありがとう。お陰で楽しい旅行だった。又一緒に行けたらうれしいネ!」とお礼を云ったら,「アラ,お姉さんのお陰よ!」と云う。
「エッ,だってすっかりお世話に成っているのは,私の方なのに……」
「それはね,お姉さんがドクターエンドーに勤めに行ってくれたから…。それで青汁を知る事が出来て飲むようになったお陰で,元気に一緒に旅行に来れたのよ!」と云う。
 妹のだんなさんも,職場で
「奥さん,いつも元気ではつらつとしていますね」
なんて云われる事もあるらしく,さりげなく
「青汁飲んでるからネ」
と云ってくれ,二人で青汁が飲めるのを感謝してくれているらしいのです。
 私も少しは妹夫婦のお役に立てているのかな?
 そして,姉妹で仲良くしている事も,それが親孝行にもなるかな?
 「お姉さん素敵!」と100回二人で云ってくれるよりも,もっとうれしく思いました。

朝の散歩           平 澄子

 朝,子供達のお弁当を作り終えると,コロの散歩の時間です。いつも7時くらいに行きますが,10分前くらいになると庭でソワソワしています。この時間帯が他の犬とも会わないし交通量も少ないので丁度いい時間です。
 霜が降っても,水溜まりに氷が張っても,平気でどんどん歩いて行きます。
 私は後から引っ張られっぱなしです。余り強く引っ張ると腹が立って,綱をグイと引っ張り返します。すると,後を振り返りながらソロソロ歩き出します。
 30分くらいですが,朝の空気を感じながら散歩を楽しんでいます。