黒 板          笠原 彩加

赤いくつ           平 澄子

 母が亡くなって早4ヶ月が過ぎました。まだ亡くなった実感はありませんが,時々思い出し悲しくなります。
 施設で1ヶ月お世話になったのですが,ほとんど歩く事はありませんでした。
 入院の時に歩行が出来るようになったらと,靴を2足購入しました。赤と水色のかわいい靴です。
 四十九日の日に弟が「姉ちゃん,犬の散歩の時にでも履いたら」と,赤い靴をくれました。
 水色は姉がもらいました。
 犬の散歩に履くと汚れるので,まだ履いていません。
 母が一度も履くことのなかった赤い靴が,今は一番大切な物になりました。

すべての思いを家族に 55
自分に固執
    田上 豊

 私達は自分が学んだことを自負して,それに固執する癖が有ります。学問,習い事も同じです。
 学べば学ぶ程,自負心が大きくなり自分が一番苦労して,偉いと勘違いしてくるのです。知らない間に高慢心が硬くなってくるのです。これが一番だと言い出すのです。年令を重ねると強情に成ってくるのです。広い視野が持てなくなると駄目なのです。
 私達は学んだ事を広い視野でもう一度学ぶのです。関連したこと関連しないことも学ぶのです。そうした自分の立つ位置を自覚するのです。もう一度自分を見直すのです。自然を見て,人の話に耳を傾けて,一人で自習を重ねるのです。学んだことに謙虚に成りたいものです。
 家族との生活でも嫌なこと,悲しいこと,辛いこと,寂しいこと,本当に色々あるよね。これら全部学びだよね。一つ一つ解決するよ。学びに感謝が出来たら嬉しいよね。
 私達は,過去に生きることが有ります。過去を踏まえてどう生きるかです。それがその人の値打ちなのです。品性が上がるのです。
 私達の心精神は小学校を卒業しているのに,中学校になっているのにランドセルを背負って小学校の校庭で遊んで居るのと同じです。心は幼稚なのです。
 私達はその瞬間,瞬間しか生きられないのです。この瞬間を楽しく生きれば良いのです。後ろを向いて歩くと危ないのです。過去に固執しては駄目なのです。前を向きたいものです。

ミュージックスタディアム     橋本 節子

 我が家の孫も早や5歳になろうと……。
 大人にとってはどうって事ない年数ですが,小さな子の5年の成長には,目を見張るものがあります。
 その孫のレッスンに通っているヤマハ音楽教室の発表会がこの日,アスティで開催されました。
 孫の出場は今回で3度目,出番はプログラム13番の「スイートスイートホーム」etc.演奏,歌などでした。
 ライトアップされた中,おそろいの服でいよいよ始まり,エレクトーンを弾きながら歌っているのです。
 その姿はバックのスクリーンにもアップで……。
 只今反抗期のやんちゃくれも,この日ばかりは真剣な顔つきで,かなりのぶりっ子でした。
 たくさんのチルドレンも,お母さんと一緒に楽しそうにリングベルを振ったり,終わった後の拍手にほっとしたような顔つきでおじぎをしたりと可愛いしぐさでした。思わず笑ってしまった程でした。
 幼いながらも,凄い迫力ある生演奏に感動して拍手を送りました。