大島青松園を訪問して  石渡 修司

 高松の常磐町教会の梶井牧師から,大島青松園に一緒に行きませんかとお誘いを受けた。新型インフルエンザの感染拡大の恐れがあり,訪問が延び延びになってしまっていたが,ようやく,その機会が与えられた。
 高松港から船で渡る訳だが,船賃は無料とのこと,その取り扱いの特殊さに青松園が置かれている状況が想像できた。大島の船着き場で,Wさんが出迎えてくださり,Wさんとご一緒に島内の信者さんを訪ねた。お訪ねしたTさんは,十代で発症し,島に移され,六十年以上も,ここでの生活を強いられたとのこと。自分人生の意味を考え悩み,自殺を考えたこともあった。夕方,島内を歩いている時,教会のそばを通り,教会で集会を開いていたので,中に入り,初めて聖書を読んだ。これこそ,自分が探し求めていたものだと知って,教会に通い,信仰を持つことができた。信仰を持ってからも,境遇は変わることはなかった。社会から切り離され,身内の死の知らせさえなかったと語ってくださった。
 今日に至るまでに味わわれた悲しみはどれほど深く,大きなものであったことだろうか。しかし,今,語ってくださる姿には,自己憐憫を感じさせず,その思いを突き抜けた,清々しささえ感じた。信仰を知識として蓄えるだけで,生きる力となっていない者と,人生と日々の生活を信仰によって生き抜いている者との差を見させてもらった。
 「信仰は弱い者が持つもの,だから強い者には不要なんだ」と言う。確かに,人というものの弱さを認めた者に与えられるのが信仰であろう。しかし,強さを誇る者の傲慢さより,弱さを認め,自分に与えられた人生を誠実に歩む姿に,私は心が打たれ,自分の思いあがりを諌められた。
 この大島青松園には,信仰を生きている人々がいる,私達に励ましを与え,へりくだりを教える尊い人々が主により備えられていたことを知る経験であった。
 「私は戦いを立派に戦い抜き,決められた道を走りとおし,信仰を守り抜きました」テモテ2 4:7・8

コスモス       石渡 路子

 「いつか草が風に揺れるのを見て,弱さを思った。今日,草が風に揺れるのを見て,強さを知った」。星野富広さんの詩「いつか草が」です。
 この季節,コスモスの花をあちらこちらで見ることができます。赤,白,ピンクと色鮮やかでありながら,鳥の羽根のように薄い花びらが一見弱々しい可憐さをかもし出しています。秋の風に揺らぐさまは,秋桜と名付けられるにふさわしい。桜の花のように,風に散ることはありませんが,風が吹くと,今にも倒れそう,しかし,倒れません。柔らかく,受け流すことができるからでしょうか。いいえ,コスモスは,決して柔らかい草ではありません。草が倒れないのは,根がしっかりと張っているからです。ですから,台風のように強い風には,勝てません。根がしっかりしている分,その場に倒れてしまいます。ところが,そのところから,コスモスはコスモスの強さを現します。その倒れたままの姿勢から,空に向かって,育っていきます。みごとに花を咲かせます。逆境にあって,その強さを示す,それがコスモスのすばらしさです。単にきれいなだけではない,個性を持った花です。
 コスモスの美しさを部屋の中でも鑑賞したいものだと思います。ところが,コスモスは切り花にすると,長持ちしません。コスモスは,根があって,咲き続けることができるのです。枝から切り離されてしまうとまったく弱い花なのです。枝につながっているから,あのきれいな花を咲かすことができるのです。
 「ぶどうの枝が,木につながっていなければ,実を結ぶことができないように,あなたがたも,わたしにつながっていなければ,実を結ぶことができない」ヨハネ福音書15:4
 私たちは,何につながって生きているのでしょうか。コスモスの花を見ながら,考えさせられます。聖書の言葉は,私にイエスさまにつながるよう,教えてくれます。ご一緒に考えてみませんか。

百年に一度の不況   芝山 靖二

 「真剣だと知恵がでる,
    中途半端だと愚痴が出る,
       いい加減だと言い訳ばかり」
 これはある人に教えてもらった言葉で,私の事務所に掲げてある。
 真剣になっていない証拠に知恵がでてこない!
 今まではただ一生懸命仕事をしていればなんとかなった。
 今はアイデア,知恵がいるように思う。新しく始めた仕事なかなか思うようにいかない。百年に一度の不況の時に始めたのだからしょうがないとも言えるが。
 「茹で蛙」と言うことばがある。蛙を大きな鍋に入れて下から炊くと,ゆっくりゆっくり温められて,その内茹であがってしまうが,初めから熱いお湯に入れるとすぐに飛び出してしまう。
 人は毎日の生活,仕事に追われて自分のおかれた環境に慣れてしまって,危機感を無くしてしまう。気がついた時にはもうすでに手遅れ。
 そのような事にならぬよう毎日を危機感をもって行かなくてはいけない。

ニューモラルを読んで・・・No.481
相手の気持ちを察する
               相原 詩恩

 私は,今回のニューモラルの題を見て,「気持ちを察する」をよく考えてみた。
 それは,自分のことだけじゃなく,他の人の事も考えて接する事だと私は思っていた。
 「携帯電話を落として大騒ぎ」で,大学生らしき人が受付に来て,エレベーターのすき間にケータイが落ちたと言ってきた。その人は,早くしてほしいとか,なんとかならないですかと自分勝手に言ったそうです。私は,この受付の人だったら「この人は,なんて自己中(自己中心的)な人なんだろう」と,少しけげんになる。けど,「それぞれに,それぞれの事情が」で,聞いている人はそんなにも思わないが,言っている人はパニックになって,助けてほしい!と思っている。だから,その人の気持ちになって接しなければいけないと分かった。もしかしたら,私も人の気持ちを分かっていなかったかもしれない。だから,ちゃんと相手の立場に立って接する人になりたい。

任重くして道遠し     相原 雄二

 9月16日衆参両院本会議の首相選挙で鳩山由紀夫新首相(民主党代表)が選出された。
 伊藤博文初代首相以来,第93代60人目。鳩山首相は管直人副総理,国家戦略担当相。平野博文官房長官,仙石由人(徳島県人)行政刷新相ら17人の閣僚を発表した。同日夜,皇居で天皇陛下による首相の親任式と閣僚の認証式が行われ,民主,社民,国民新3党の鳩山内閣が発足した。非自民の細川内閣が誕生した平成5年以来16年ぶりに非自民勢力に政権交代した。衆院選で野党が単独過半数を制して政権を得たのは戦後初めてである。とにもかくにも,自公政権がなしえなかった「脱官僚」と「財政のムダ遣い見直し」の道筋づくりを優先させ政権公約を実行できるか,新政権を選択した国民ひとり一人が政治の見る目をしっかりと持つ責任があります。個人的には,日本国の針路だけは誤らぬよう願っています。
 ところで昔から見るとずいぶん運動会も早くなったように感じます。
 平成21年度(2009)森山地区秋季大運動会が9月20日連休の初日に「ガッツだぜ 森山魂 見せてみろ」のテーマで,晴天に恵まれ無事開催することができました。今回の大会で私は2つの貴重な確信を得ることができました。
 一つは,児童がテーマに「森山魂」という言葉を入れ,森山魂とは,校訓の「強く,正しく,明るく」をまとめ「誠実」という言葉になり,それを一所懸命(現在,只今にのみ命をかけ実行する)にすることが「森山魂」である。(これは,以前,年一間発行する森山小学校のヒマラヤ新聞に書いたこと。)
 あと一つは,運動会を運営させるにも数多くの人が多くの時間と労力を犠牲にして,会合と数多くの準備を積み重ね,そして当日本番を迎えていることを知りました。PTA会長の役をいただき,役員始め保護者の皆さん,校長始め各先生方と共に汗を流し共に過ごした時間を共有することでこんなにまですがすがしい気分にさせて頂けることに驚き感謝で一杯です。元気で明るく,はつらつとした子供たちの演技にも感動しました。ありがとう。汗を流し,犠牲を払うことにより喜びが得られると。