中村 修


忌部の話 三十六 「倭と卑弥呼」その二
               尾野 益大

 日本の正史「日本書紀」には神話は載っていても,なぜ,卑弥呼やヤマト建国の話,王の墓である前方後円墳の話は載っていないのか。不思議である。
 だが,卑弥呼と天照大神が同一か,あるいは関係があるとみて読めば日本書紀も役に立つ。天照大神が阿波で生まれたと推定させる内容があるからだ。
 まず,イザナミの死体を見たイザナギが禊ぎ払いをした場所が阿南市見能林の海岸であるという点。民俗学者・谷川健一氏は「筑紫の日向の小門の橘…」の記述について「土地が尽きて日(太陽)に向かう場所。橘湾の周辺」と指摘。普通は宮崎の日向などに当てはめられるが,谷川氏は「国生みの話は淡路や阿波周辺が舞台だから禊ぎ払いの場所も淡路や阿波周辺に限られるべきであり遠すぎるのは不自然。一番自然なのが阿波である」と言っている。
 谷川氏は「天照大神がそこで生まれた」とまでは断言していないが,イザナギが禊ぎ払いをした際,左目を洗って天照大神が生まれるのだから,結果的に天照大神が阿波で生まれたと考えられる。それは同時に卑弥呼の生誕地も阿波であることを示唆する。
 天照大神と阿波忌部が伊勢神宮(内宮)を通じて関係があることは,既に十三・十四回の項に記した。だからここでは省くが「魏志倭人伝」にあるように卑弥呼が亡くなった後の女王・ 台与 ( とよ ) に通じる豊受大神が伊勢神宮(外宮)の祭神であることも新たに付け加えておきたい。
 台与は「豊玉姫」にも通じる。延喜式(927年)で阿波にしかない神名の神社8社の中に豊玉比売神社があることも偶然ではないだろう。所在地は古代阿波国府があった一帯の徳島市国府町和田宮の元。JR徳島線のすぐ北。名は王子和多都美豊玉比売神社。つまり台与も阿波と無関係ではあり得ない。
 卑弥呼は「鬼道につかえていた」とされる。太陽に関する祭りをしていたのか―。鬼道は道教的信仰らしいが詳細は不明。いずれにせよ卑弥呼は祭司で,阿波を指す「伊」に通じると考えられる「倭」の女王として君臨していた。
 国府周辺が縄文時代から続く石棒,弥生の銅鐸など祭祀文化の先進地であり,阿波では後に祭祀に携わる忌部氏が登場することを考え合わせると卑弥呼と阿波との結びつきに関心が一層強まる。

徳島発 日本酒紀行 5
               竹馬 正宗

 私事だが,四国山の日の11月11日,日本酒造組合中央会四国支部から「酒神」という称号をいただいた。それに先だって新しい順に「酒仙」「酒聖」「酒王」を認定された。これは「四国酒蔵88箇所巡り」という企画で,酒の消費拡大が目的。素人でも決められた酒蔵88箇所を回りきれば各称号を授与されるという内容だ。
 徳島は21蔵,高知23蔵,愛媛33蔵,香川は11蔵あるが,蔵だけでなく酒にまつわる神社や蔵を改造したホール,ギャラリー,酒の販売店もある。また日本酒に限らず焼酎造りの蔵も含まれている。3県制覇なら酒仙,2県なら酒聖,1県なら酒王。この企画に参加していない蔵もあるが,順路の途中で立ち寄った蔵もあった。各蔵では証明のスタンプを押してもらうが,蔵人と話をしたり酒を最低1本は買ったりしたから,単に回った満足感だけでなくすべての蔵が印象に残っている。期間も半年以上はかかった。
 香川では幕末志士と縁のある悦凱陣で感慨に浸ったり,小豆島で唯一頑張っている森國酒造ではつい大吟醸と特別純米の2本も買ったりした。愛媛のある蔵では作家・司馬遼太郎とゆかりがあり今も命日に司馬さんの家に届けられる純米大吟醸「花神」を購入。「城川郷」という以前から知っていた銘柄が深い山あいで作られていることを知ったときはその環境を思い恐れ入った。親類が徳島に住むという伊方の「宮乃舞」では話が弾んで長居した。高知は東から西までとにかく遠かった。しかし大量消費が支えてくれているからかどの蔵元も活気があるように感じられた。地元徳島もこの機会にすべて回った。
 道中,初めは道に迷った酒蔵もあるが,いつごろからか,酒蔵は旧道沿いにあり煙突が目印になる,という共通点に気が付いた。所々で一方通行や駐車場がなくて難儀したこともあった。
 酒蔵巡りが縁で頒布会を申し込んだり,各蔵でいただいたパンフレットを頼りに今後注文する酒が出てくるかもしれない。88箇所全部回っても実は特典はない。しかし酒神など4枚の認定証と納経帳ならぬスタンプシートは宝物である。いろいろな意味で短期間,集中的に日本酒を学び考える機会を与えてくれたからだ。

心の健康を取り戻すために
                 山田 章

 1 人生の素晴らしさに気づくこと
 2 心の健康に気づくこと
 3 洞察力(広く相手を思いやる心)幸せになる為に
 4 判断力(深く相手を思いやる心)幸せになる為に
 5 無条件の愛情(全てに愛の心を持って希む)
 6 親密さ(細かく深く愛情を持つ事)
 7 身体的健康(継続の結果)
 8 生きる情熱(子孫の幸せを思う心)
 9 リーダーシップ
 10 楽天主義
 11 創造性
 12 喜び
 13 忍耐力
 14 本能
 15 適応力
 16 ユーモア
 17 バランスのとれた視点
 18 自信
 19 自尊心
 20 同情心
 21 問題解決能力
 22 生産性
 ※これらを全て(22項目)を満たす事の出来る行為は,大恩を知りつくして,その事に報いる心になる事だと思います。感謝し全てに有難うと云える心です。

◎音楽に聞き入っているとき
◎相手の話に引き込まれているとき
(時間が止まったように感じられる瞬間である)
 この様な時,何を悩んでいたのかも忘れてしまう。
 人生を生きているという感じがする。
 それは!! 先の事を考えず,目前の時間に集中している。
◎此の様な時間はいつも手に入るものではない!!
(ストレスを減少させ,希望を喜びと直観(叡智)を与えてくれる!!)
 今,私達は考えなければと思う。「感謝」有難う御座居ます。大恩に感じて,恩恵に報いる心となる事。