ブルーインパルスin小松島   長井 宏一

 7月18日,19日,小松島港まつりで,ブルーインパルスの展示飛行があったので見に行きました。徳島でブルーインパルスの飛行が見られるのは,約10年ぶりとのことです。(僕が以前,見た時のブルーインパルスの機種は,T-2だったんですが,今は小型のT-4に変わっていて,時代の流れを感じます。)
 6番機のパイロット,槇野亮さんは,小松島出身で,今回の飛行が凱旋飛行ということで,すごくもり上がっていました!
 ブルーインパルスの飛行,素晴らしかったです。フォーメーションを組んで,青い空いっぱいにスモークを引きながらサクラやハートの形を描く神技のような飛行は凄い!の一言です。会場にいた,大人も子供も大拍手で大喜びでした。
 2010’夏の思い出がまたひとつできました。



ゲゲゲの女房      石渡 修司

 母のことも書かないと,天国で再会した時,苦言のひと言も聞かされることだろう。
 このところ,毎朝,NHKの連続ドラマ「ゲゲゲの女房」を見ている。評判がよく,多くの方が見ているようだ。主人公は,いわゆる良妻賢母そのものだ。今の時代に探しても見つからない女性像だから,好感が持たれているのだろう。しかし,当時は,私の母を含め,大方の女性がそうなるよう強いられていた。女性が男性と対等に働ける場がなく,女性は結婚して,専業主婦となることが当たり前であった。連れ合いの給料だけで生計を立てていかなければならなかった。だから,貧しい家庭が多かった。みんなが貧しかったから,貧しさが苦ではなかった。主婦の才覚が活かされた。
 我が家も,ある時から,内職を始めるようになった。私も弟も,まだ小学生だった。色々な内職が持ち込まれて,結構楽しかった。最も印象的な内職がクリスマスツリーに飾るイルミネーションだった。米国に輸出されると聞いた。まだ日本は貧しく,クリスマスツリーを飾る家はなく,珍しいものだった。一つのコンセントから出た電線に12個か24個の豆電球をつなげる。一つでも豆電球のフィラメントが切れていると,点灯しない。切れた豆電球を探しだすのが難しい。手戻りも大きい。弟は見つけ出すのに長けていた。だから,点かないものは,すべて弟が面倒見ることになった。母は安心して,組み立てに専念することができた。点かない豆電球を見つけるたびに,弟は母を喜ばせた。それを脇で見ている私がいた。
 母と弟と私の三人が内職に精を出している情景が,今も心に浮かぶ。貧しかったけれど,家族が持つ心地よさを味わうことができた。
「乾いたパンの一片しかなくとも平安があれば,いけにえの肉で家を満たして争うよりよい」箴言17:1

徳島弁の蝉        石渡 路子

 「徳島の蝉が徳島弁で鳴いているの,知ってる?」と,連れ合いが言います,また,人をからかってと思いました。
 「いったい,なんて言ってるの?」
 「福岡で,クマゼミが鳴いているのを初めて聞いた時には,びっくりした。なんて鳴いているのか,わからんかった。ただ『ジャージャー』としか聞こえんかった」
 「それが,どうしたの?」
 「徳島に来て,それがわかった。なんて鳴いているのか,わかった」
 「じゃあ,なんて鳴いているの?」
 「『先生,先生』って,鳴いてるんだ」
 「なに,それ!」
 「ほら,阿南出身の人がおっただろうが。『せ』を『しぇ』言っとった。『聖書』は『しぇいしょ』だった」
 「えぇ?」
 「だから,『先生』は『しぇんしぇい』となる。クマゼミの声を聞いてみぃ。『しぇんしぇい,しぇんしぇい』と鳴いとろぅ。だから,蝉は『先生,先生』と鳴いているんよ」
 「……」
 そう言われて,クマゼミの鳴き声を聞いていると,確かに,「しぇんしぇい」と鳴いているように聞こえます。
 「徳島は,教育熱心な土地柄です。蝉までが,『先生』と鳴いています」と,紹介できます。でも,気をつけなければいけません。「先生」と呼ばれてはならないと,イエスさまは忠告されておられるからです。
 「あなたがたは『先生』と呼ばれてはならない。あなたがたの師は一人だけで,あとは皆兄弟なのだ」マタイ福音書 23:8
 それにしても,連れ合いの話す言葉が色々な土地の訛りが入り混じって,どこの言葉か怪しくなっています,どうしたものでしょう。

                 三村 治

大阪古事記研究会 発足      久米 健児

 5月に阿波に行き,早2ヶ月。阿波に行ったことを思い出すと,やはり天岩戸を初めて見た時の感動が印象的です。
 また,お世話になった多くの研究会の方々から熱く鋭いエネルギーを頂き帰阪後,何かできないかなあと思っていました。
 個人的には,歴史に興味があり,近現代史,古代史ともいろいろと本を読んでおり,その関係で,遺跡,神社などにも興味がありこういったことが,好きな人が他にもいるのではないかと,ツイッターで調べていました。
 夜中に,ツイッターでぽつりと,「大阪古事記研究会いるのかなあ」とつぶやいたところ,すごい反響があり,あっというまに,人が集まって,大阪古事記研究会 発足となりました。
 共通の話題での仲間づくりは,現代のテクノロジーの結晶である,ツイッターという道具を使うことで,飛躍的に伸びていくことが予想されます。
 いろいろと悩んでいる方,もしかしたら,ツイッターの世界に飛び込んでみるのもいいかもしれません。

終わらない夏    サイトウ シゲジ

終わってしまった夏が
何の前触れもなく戻ってくることがある
川の流れが逆流し
なくしてしまったと思っていたものが
みるみるうちに心の中に満ちてくることがある
姿かたちは元のままだが
自分が変わったことに自分だけが気がついている
そんなときは何をしても楽しくていけない
思わず昔の歌を口ずさみ 誰彼となく話しかけ
時の経つのを忘れてしまう
ボードウォークの砂にまみれた思い出を掘り出そう
足早に遠ざかる雲の行方をオートバイで先回りしよう
前に進むことが大事でなくなると
僕の心は生きることに貪欲になっていた
ただここにいることに全ての意味があり
終わってしまった夏が
何の前触れもなく戻ってきた
人のいない公園をあてもなく歩きながら
僕はわけもなく幸福だった
人にはつらく苦しいときが何度でもやってくる
何を見ても悲しくなるときが何度でもやってくる
終わらない夏の真ん中で
自分だけが悲しくつらいと思うのもいいけれど
今日は自分だけが幸福だと思っていた