夏休み  東京古事記研究会 室伏 聖司

33回目の誕生日,楽しみにしていた夏休み。
私は夏風邪をひいた。
普段,できない事が出来た。
普段,考える事のない事を考えた。
時間の余裕。神様からのプレゼントだった。
客観的に自分を見ると,どうでも良い事に1年を浪費している気がした。
本当は望んでいる事を全然考えず,取り組んでない気がした。
何故か?。。。
理由はどうでもいい。
ただ,望む方に進もう。勇気なんて要らない。

三村さんという人    天田 弘之

 〔 真瑠吾視比古 ( まるごしひこ ) 〕の名刺をもらったのが初対面だった。「私は阿波が好き」なんでか?「阿波はすばらしいから」と……。
 三村さんは古事記の研究家である。神社,遺跡を自分の脚で,自分の眼で見つめ ( いにしえ ) の姿を発見するのだ。その時が一番幸せという。古事記の神話は阿波にあり,その神名そのままの式内社が阿波にある。他にはないと語気を強める。そんな話を聞いているうちに時の過ぎるのも忘れ久しぶりに私は強い感動を覚えた。ふと頭を過ったのは古事記に取り組んだ動機は何かということだった。「徳島市内の式内社の立札に記した立岩神社の御神体(天津マラの巨岩)を見て,それが古事記に書かれていることを知り,おどろき,これが切っ掛けとなっていつの間にか古事記という本を読むようになった。」と三村さんの話だ。
 これを聞いていて大事なことに気付いた。三村さんは現地を見て“徳島に昔何があったのか,古事記って何か”といった心を動かす日本人の情緒が甦ってきて,三村さん独自の想像力が生れてきているのではないかと思わざるを得ない。
 「見えなかったものが見えるようになると言いようのない喜びに満たされるものだ」と彼は言っているし,私も共感するものである。これは芸術的よろこびである。

男の特権           御堂 孝

 7月28日から北アルプスに行ってきました。雨のため計画は大きく変更せざるを得ませんでしたが,当初の目的は達成できました。それは南岳から北穂高岳に向かう大キレットの征服が目標だったのです。私にはそれほど困難には感じられませんでした,むしろ雪渓を渡る方が難しく感じられました。31日無事板野ICに21時30分帰ってまいりました。家に帰りザックを降ろしベランダに出てみると,鉢植えの草花の葉がしょんぼりしており,中でも最近買ったまま鉢に移してない黒いビニールに入ったままの花が倒れていました。この花は先日ボランティアのために買って花弁はすべて摘んでいました。しかし3〜4個の新しい蕾をつけて葉は地面に手を着いた様にして倒れていました。私のために働いてくれたこの花が妙に愛おしくなりすぐに起こして水をやりました。感傷の余韻に浸ったあとすぐに「お酒を飲もう。」と思いました。4日間の断酒もあったので,その服装のままでいつも行くお店に行きました。お店に入ったとたんママから「浮浪者が来たかと思った。」と言われました。しまったいつもイイ格好しているのに後の祭りです。5日間髭を剃っていなかったのです(お風呂は山を降りて入った)。翌朝洗面台に立ったところ見事な髭面があるではありませんか。テレビによく出ている有名連の連長のような髭です。まてよ,このままにしておこうかとも思いましたが,今日はボランティアの日,まず顎と鼻の下を残しました。いいなあ,次に鼻の下だけ,これもいいなあ,このままみんなのところに行ったらどんな顔をするだろうなあ,色々考えながら約10分の至福の陶酔に浸っていました。5日間も髭を剃らないというのは記憶にありません。山も良かったけれど,最近にない優越感を味わうことができました。女には決して解らない,男の特権でした。

賞味期限       琴江 由良之介

 夏の一日,大阪へ出かけて,その晩,せがれのワンルームマンションにころがり込む。
 何はさておき,シャワー。
 バルブをひねり,ボディーシャンプーをひと押し手のひらへ……胃袋の辺りから,徐々に,首筋・腋の下・股くらへと延ばしていく。
 釈然としない……。
 続いて,三本並んだのこりの二本を引き寄せたが,生命保険の契約書みたいに楔形文字が寸隙なくちりばめられてある。結局,解読不能,早い話しシャンプーとリンスの区別すらつけられずに,仕方なく総身のあの泡をかき集めてなけなしの髪の毛へ持っていった。
 石鹸ひとつとっても,ことほどさように,長年身になじんできたものが身の回りから立ち消えていく。
 んっ?!
 ひょっとして,これは,自分らを淘汰しようとする策謀なのでは?
 そう,「近ごろの若いのは……」なんて,したり顔で口にするのは,ヤバイこと,「自分らは賞味期限が過ぎた人聞であります」と触れてまわっているのも同然……ふと思った。

只々,呆然        岡本 光司

 太陽(恒星)が,この宇宙空間に浮かび,くわえて,地球が,自転しながらこの太陽のまわりを,整然としてまわっている。
 ホント,不思議……。
 くわえて,太陽から十六万五阡光年離れたタランチュラ星雲の中に,質量が太陽の三二〇倍,明るさ千万倍もの恒星が存在するとの事。
 人間の英知をはるかにこえた,未知の世界。
 どの様にうけとり,どの様に考えたらよいのだろうか。
 只々,呆然。

 私たちは自分の力で生きているというよりも,人間を超えた大きな力によって生かされているようです。したがって,まず宇宙自然の一員であることを自覚し,万物を生かし育てようとする神(自然の法則)の働きに参画していくことが大切です。目の前に起こるすべての出来事は自然の法則,つまり原因結果の法則で,これは神の意志でもあります。その起こったことに対して自由に選択できるのも人間です。
 しかし,得てして,自分に都合悪いこと,損すること不利なことは,素直に感謝して受け入れないのも人間です。
 それもこれも,すべて神様の意志なのに。
 その意志に素直に従う人が,喜びの多い人生を歩むことができるのでしょうね。

陸上の大会で      相原 詩恩

 8月25日に,鳴門ポカリスエットスタジアムで記録会がありました。私は100mにでました。
 学年ごとなので同じ学校の子はいなくて,きんちょうしていたら,となりに座っていた子が,「ねぇ,どこ中?」と聞いてくれました。
 そして,走り終わったころには友達になっていて,「また次の大会でね」と約束をしました。
 思えば,走る前のきんちょうもとれて走れていました。
 記録はまぁまぁでしたが,次の大会が楽しみになりました。それまで練習をがんばって速くなりたいと思いました。
 友達の輪が広がることが楽しいです。

                  坂本 眞人