御礼 なでうさぎ祭
 天岩戸神社・天香具山神社 宮司 橘 豊咲

 大和地方は,日に依って早春の感じがします。若草山, 高円山 ( たかまどやま ) 春日奥山 ( かすがおくやま ) を毎日眺めています。
 過日,快晴の日和に,賀立神社の起源に由来する大祭に副斎主,そして大祓詞奏上及び,竜笛にて越殿楽奉奏するも気温が上がり,笛が乾燥して音色が良くなかったと思います。
 風光明媚な橘湾及び橘に因む錦地を通って,感慨を深く感動しました。
 種々の接待等,御配慮に預かり唯々感謝です。
 帰途,野口さんと随行の方に見送っていただき,午後八時頃帰宅しました。
 年内,秋頃にもイベントの企画があるとの由,当方の秋の祭典も多々ありますが,早目にご連絡できましたら阿波へ参り度。右お礼まで。

挫折,いいじゃない!  石渡 修司

 「やはり,なかったか」,合格者発表掲示板を何度見ても,ないものはない。合格者の受験番号だけが掲示されている。何度,悲しい思いをしたことか。その結果,あまり期待していない学校に入学した。失望したまま,無為に時間を過ごしていた。「この学校に入れて嬉しい」と喜んでいる学友を冷めた目で見ている高慢な自分がいた。学友は,時間を惜しむかのように,勉学に,サークル活動に取り組んでいた。最終学年が来て,その差は大きかった,彼は学校推薦で,いわゆる一流企業を受験し,合格,採用された。私は,就職課の掲示板を見ながら,受験先を探し,受けては落ち,受けては落ちし,以前にも,こんなことを味わっていたことを思い起こした。
 4月は入学式,入社式と賑やかだが,希望する所に入ることができず,挫折を味わって,屈折した思いで,その日を迎えた私と同じような人がいることだろう。果たして,人は挫折したら,それで人生は終わりなのだろうか。
 東京大学社会科学研究所で,2005年から,「希望学」というプロジェクトが始められ,2009年までの研究成果がまとめられた。その中で,「希望を持ち続けている人とは,どういう人達なのだろうか」という調査が行われた。調査する前,「順調な人生を歩んでいる人が希望を持ち続け,挫折を経験している人は希望を持ち続けることは難しい」と予想した。ところが,「希望を持ち続けることができる人は,挫折を経験したことがないという人より,挫折を経験したことがあるという人の方が圧倒的に多い」という調査結果が出た。予想と全く反対の結果だった。挫折を経験したことがある人の方が,希望を持ち続け,努力しているということが分かった。
 挫折は,終わりではなく,そこから,新たな出発が始まるということだったのだ。挫折を通して,「自分が本当に取り組みたい目標がはっきりした」。「他人から押し付けられたり,期待されていた目標ではない,自分の本当の希望を知ることができた」。挫折を活かし,克服した時,本物の希望を自分のものとすることができるということだ。聖書はそのことを約束している。
 「私たちは知っているのです。苦難は忍耐を,忍耐は練達を,練達は希望を生むということを。希望は私たちをあざむくことはありません」ローマの信徒への手紙5:4-5
 「挫折,いいじゃない」。イエスさまの弟子達も挫折を通して,本物の希望を自分のものとすることができた。聖書はその証言に満ちている。

東日本大震災に思う  石渡 路子

 誰が,こんな状況を想像できたでしょうか。2011年3月11日午後2時46分頃,東北地方で地震が起き,続いて津波が襲いました。わたしは,教会の前で,教会員の方と,のどかに話をしていました。その同じ時刻に,悪夢のようなことが現実となって,東日本太平洋沿岸の人々を,そして街々を襲っていたのでした。
 わたしたちが,どれほどか危ういところにいるのかをはっきりと教えられました。分かっていたならば,もっとなんとかなったはずと言う声も聞こえてきます。しかし,注意を喚起する「お知らせ」は,色々な形で出されていました。わたしたちの住んでいる徳島も「南海地震」が近いうちに起こると警告されています。しかし,どれだけの人が真剣に受け止めていることでしょうか。
 幸いにも,ここ中昭和町1・2丁目では,自主防災会が組織され,活発に活動しています。毎月の例会で,具体的な取り組みが話し合われ,着実に実行しています。毎月第2・4土曜日にリサイクルできるものの回収で,活動資金を調達するという堅実な取り組みです。「防災のためには,なによりも横のつながり,人間関係を作ることが大切です」と,わたしたちが隣近所と顔なじみになるようにと,色々なイベントを計画してくださっています。この4月には,桜の咲く時期に合わせ,昭和町公園でぼんぼりを灯すことになっています。わたしも,この機会にご近所の方々ともっと知り合うことができればと願っています。
 「見てごらんなさい,家族が共に座っている,なんという幸せ,なんという喜びでしょう」詩編133:1
 災害に遭われた方々の生活が再開され,家族が共にある幸いと喜びを味わわれますよう,お祈りいたします。

「美織とおひなさまのお話」
文・絵  幼稚園 年中組 澤田 優志


 昔々,あるところに美織ちゃんという名前の小さな女の子がいました。
 ある日,美織ちゃんは山に出かけたお父さんにお弁当を届けに行きました。
 美織ちゃんは,熊に襲われ怪我をしてしまいました。その山は,恐い動物がいる山だったのです。
 お父さんは,倒れている美織ちゃんを見つけて家に連れて帰りました。
 次の朝,家に女の子がやってきました。女の子は,「美織ちゃんの病気を治してあげるので,お皿にこの人形とお花をのせて川に流してください」と言いました。
 すると,美織ちゃんは元気になりました。

(※これは,昔からしていたことです。昔はどこでも流していたのですが,今は流すところが決まっています。)

 美織ちゃんは,大人になって,また山に行きました。そして,今度はおおかみに遇いました。
 そこへ,男の人がやってきて美織ちゃんを助けました。
 美織ちゃんはその男の人と結婚して,いつまでも幸せに暮らしました。

 美織ちゃんを助けてくれた女の子と男の人は,おひなさまとおだいりさまでした。
 家でも,3月におひなさまとおだいりさまを飾って,みんなで「ひなまつり」をしました。

5才になった息子   澤田 織世

 今回の優志の作品は,「ひなまつり」の日に,幼稚園で先生方がして下さった「流し雛」の劇のお話です。この日にお誕生会もあり,私も劇を見ていました。
 美織が大人になったところからは,優志が考えたお話です。
 いつも絵を描き終わると,息子が話す物語の内容を急いで紙に書き取ります。今回の物語を聞いている時,よくできたお話だなと思っていると,途中で(※印のところ)説明のような文章を話すので,幼稚園の先生が話していた事だと気が付きました(^^;)
 いつも落ち着きのない息子が,先生のお話をとても細かいところまで聞いていたので,感心してしまいました。
 そんな息子も3月20日にようやく5才の誕生日を迎えました。やんちゃですが,家のお手伝いや妹の面倒をよく見てくれるお兄ちゃんです。
 これからも優しい心を失わず,元気いっぱい自分がしたいことにチャレンジしていってほしいです。