-北の里山の会・有明の森ニュースレター-
Vol.1-8
2001,04,28
サクラはまだですが、春たけなわといった陽射しが続く毎日です。昨日は滝野公園に春植物の調査に入ったのですが、フクジュソウが満開でした。エゾエンゴサク・ヒメイチゲ・アズマイチゲもちらほら見かけました。日当たりがいい場所に植えてあるカタクリは開花していましたが、日当たりが悪い場所はまだまだというところ。連休後半が見頃でしょうか。
そういえば、もう今日から連休ですね。9連休の方もいらっしゃるでしょうか。ちょっと道路は混みそうですが、春を満喫しにあちこち出かけるのも一つの手ですよね。
今回は、前回のニュースレターでの予告通り、有明の森の春植物を観察してきました。その様子をお伝えします。
■4月の参加者■
今回の参加者は、イヌ1匹・子ども4人・大人5人、計9人+1匹でした。
ちょっと肌寒い日でした。昼頃に雨がポツポツ。これはまずいと一瞬ヒヤッとしましたが、通り雨にもならない程度でホッとしました。
実は最初集まったのは、私と五十嵐芳樹さん親子の3人だけ。寂しいけれどもしょうがないなぁと思いながら森の中に入っていきました。そのあと五月雨的に集まってきたというところでしょうか。
大人だけだったら、ちょっと鬱々とした雰囲気だったのでしょうが、やっぱり子どもたちがいると華やいでいいですよね。けっこうにぎやかで、「これなら熊よけの鈴なんていらないね。」「熊よけの○○ちゃんだ。」なんてね。■4月の野外料理■
雪が融けると、北海道の森は乾燥状態に入ります。札幌でも4月・5月は1年のうちでも最も降水量の少ない時期です。こんなとき森の中で火を使うと、枯れ草や枯れ枝に火が燃え移り山火事の危険性がでてきます。こんなことから春の野外料理はやりません。いずれピザ窯なんか作ったら、また別ですけれど…。
今回はみなさん、おにぎりだったかな?■4月の野外料理 番外編■
「美深町ではシラカンバの樹液採取が最盛期」というような新聞記事を見ました。ひょっとしたら有明の森でもいけるかなと思い、ドリルとビニールチューブを持って森に出かけました。
先がつぶれてしまったドリルの歯でグリグリグリと、シラカンバの幹に穴を1cmほどの深さまであけていきます。ドリルをもんでいるうちにじわりじわりと樹液が滲み出てきます。穴にチューブを挿し込んで、地面に置いたコップに中に樹液が落ちるようにします。
結構な速さで樹液が出てくるのかと思っていたのですが、ポタリ・ポタリ、そしてかなり間が空いてポタリ。うーん、溜まるまでかなりかかるぞ。これはしばらく置いていってもあふれることはなさそうと見込んで、花の観察へ。
約1時間後に戻ってみると、溜まっていたのはマグカップの底に2cmくらい。みんなでほんのちょっとづつ回し飲み。「飲み」というより「回し舐め」程度かな。シラカンバの樹液は無色透明、無臭。舐めてみるとほんのり甘く、しかもべたつかないさらさらの液でした。大人は半分義理でおいしいと言ってくれましたが、子どもたちかには遠慮なく「これ、美味しくない」と一言で片づけられてしまいました。
これしかとれないのだから、美深産のシラカンバの樹液は180ccで300円くらいもするんですね。納得。
シラカンバさん、ちょっとごめんなさい ほんのちょっとづつ、ポタリポタリ ■■■■■■■■■■
■春の妖精を探そう
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今回の本題です。 今回見つけた春の妖精は、フクジュソウ・エンレイソウ・ミヤマエンレイソウ・ナニワズ・ミズバショウの5種類でした。
有明の森は里塚霊園の西側にあり、斜面は北西〜北側に向いています。斜面の上半分はカラマツ林、下半分が広葉樹林となっています。春の妖精たちは、残念ながらカラマツ林の中では見られません。カラマツ林の林床(下草が生えているところ)は落葉したカラマツの葉に覆われていて土が見えません。きっと種が運ばれてきても、発芽・発根しても根が土に届かず、小さいうちに枯れてしまうのでしょう。
春の妖精たちに会いに行くには、斜面の下半分、沢の近くまで降りていかなければなりません。 中腹部のササの密度が少し薄くなったようなところに、ポツポツとナニワズが咲いていました。周りのササはまだ起きあがってはおらず、半分雪の重みで倒されたままです。こんな状態だから、ナニワズが咲くくらいに春の陽射しが届くのでしょう。 沢頭の近くにちょっとした崩壊地があります。この斜面の下の方、崩れた土が溜まっていて、ほかの草が生えていないような日当たりのよい場所がフクジュソウの群生地でした。その日がちょっと寒かったせいなのか、それとも遅れているのか、まだつぼみをたくさん付けていて咲ききっていない状態でした。 エンレイソウは沢に近い急斜面のあちこちに咲いています。花びらは開ききっています。今が盛りなのでしょう。 沢に降りると点々とミズバショウが咲いています。葉はずいぶんと大きくなっていました。盛りをちょっと過ぎたのですね。ミズバショウ、別名ベコノシタ。遠目に群生しているところをみるときれいだなぁって思いますが、アップで見ると、うーんちょっとという気になってしまいます。私だけかなぁ?
沢に降りてから、沢沿いに遡りました。エゾノリュウキンカに出会うことに期待をしていたのですが、残念ながらお目にかかれませんでした。本流を遡りすぎると有明の森からだんだん離れてしまうので、途中から枝沢に入りそこを詰めて斎場の裏に出ようとしました。その途中でお目にかかったのがミヤマエンレイソウです。オオバナノエンレイソウほど花びらは大きくなく、ちょっと横を向いて咲いていますが、可憐な姿です。 ■■■■■■■■■■■■■
■春の妖精を探そう 第2弾
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実はもうちょっと色々な種類が見られるかなって思っていたのですが、カラマツ林が多いとこんなものかなぁ?ちょっと早いかなという思いも残りました。そこで、「春の妖精を探そう 第2弾」を企画します。
もうあまり時間がありませんが、5月4日にやります。連休中ですから、声をお掛けしても難しいかなって思いますが、連休の予定がない人、遠くに行くのはおっくうだと思っている人、ぜひご参加下さい。お待ちしています。なお、5月の例会(27日)は運動会とぶつかりそうなので中止して、この4日の行事に変えることにします。
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★連載 2★ あなたの守護樹は?
「木の癒し」:ギーゼラ・プロイシェフ,2000(小川捷子訳,飛鳥新社)から□5月1日〜5月14日□
┘ポプラ┘
この時期に生まれた人は謙虚で、思いがけないことに出会っても乗り越えることができます。また他人を受けいれ、いろいろな方面に関心があるといいます。□5月15日〜5月24日□
┘クリ┘
この時期に生まれた人は、自分に誠実であることを何よりも大切だと考えています。そのため、いちど決めたことは断固として守り通すので、頑固だと思われがちです。ですからその気持ちを、ちょっぴりユーモアで包めばいいのです。□5月25日〜6月3日
┘トネリコ(ヤチダモの仲間)┘
この時期に生まれた人は、よりよいものを、より高度なものを求めようとするだけなのに、往々にして頑固だとか打算的かつ野心的だと見られてしまいがちです。彼らにとって最も大切な目標は、アイデンティティー、自由、自立なのであり、権威主義とは縁もゆかりもないのです。==============================================
□□□□ 総会のご案内 □□□□
すでに皆さんのお手元には事務局から総会のご案内が届いていると思います。申し込み締め切りは5月2日までです。返事を出すのを忘れていませんか?
前回もお伝えしたように元北大苫小牧演習林長の石城先生にお話を伺うことにしています。先生の著作のなかに「森はよみがえる 都市林創造の試み」(講談社現代新書,1994)という本があります。一度読んでから講演を聴くと、よく理解できるのではないかと思います。=======================================================================
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発行人 孫田 敏@ARCS
E-mail arcson@bc.wakwak.com
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