Shoshaman Arabian Nights Episodes商社マン、千夜一夜物語 |
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駐在中の意外な、不思議な、驚きの物語数々 - 小林寛三 |
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>Top 0. プロローグ:
- 筆者は、1979年から1981年にかけてサウジアラビア、ダンマン駐在員事務所に金属部門の駐在員として赴任した。そして本当に数多くの意外な、不思議な、そして驚きの経験をした。駐在が決まったときには、未知への不安が多かったが、後になったみてその時の経験がその後の人生に大きな影響を与えてくれた。ダンマンからリヤドまで砂漠を横切る鉄道に乗ったり
「サウジ道中膝栗毛ダンマン~リヤド鉄道の旅」、また世界最大のガワール油田に納めたケーブルの調査にいった時の記事
「ガワール油田にプロメティウスの火を見た」は、当時の伊藤忠マンスリーにも投稿して掲載された。
- またそれ以前に、筆者は、入社後3年で1973年から約2年余り豪州に駐在した。正確には、イタリーのAGIPの豪州ウラン探鉱会社への唯一の日本人としての海外出向であった。本社はシドニーにあったが、実際には出先のダーウィン事務所、そしてウラン探鉱の調査シーズンには、さらにキンバレーという西郷州北部の250人ほどの小さな町ホールズクリークから、さらに奥地に調査キャンプに滞在しながら、連日ヘリコプターに乗っての探査活動に参加した。気候の厳しさではその後の中東の駐在以上であった。でも若かったし、その分、印象も深く、そこでの経験も人生のルーツになっている。「西豪州キンバレーの調査キャンプ生活」の記事も、まだ婚約中の手紙の往復の記述の中に、忘れられない豪州のブッシュ生活の想い出が詰まっている。
>Top 1. 行方シラズの話:
- 今ではもっと改善したかも知れないが、1970年代末の中東のフライトの予定は、全くあてにならないことが多かった。ご存じのように中東、特にサウジには住所表示がない。またタクシーは数も少なく、かつ英語があまり通じない。道路標識は(当時は)英語は稀で、ほとんどがアラビア語表記のみ。従って東京からの出張者は、駐在員に出迎えてもらわなければ、オーバーに言えば生死にかかわる重大事だったのだ。混雑する空港で、目的のお客を絶対に見逃してはならないのである。駐在期間中、何十回も空港の出迎えをしたが、一度だけメーカのお客を(彼は余りにも日本人に見えなかったこともあるが)見失ったことがあった。その時に反省もあったので、入国する日本らしき人は一人も逃すまいと目を皿にして1時間以上も前から見張っていたのだ。
- それでも事もあろうに本社の某氏は予定されたフライトに乗っていなかった。二度目の大失敗かとがっくりして事務所に戻ったものの、やはりはぐれたのではなさそうだ。予定の飛行機はテヘランからの便であった。事故の可能性もあり得るので、必死になって某氏のゆくえの捜索が始まった。当時は、テレックスだけが頼りの時代だった。その電文の表題は「某氏ユクエシラズ」というものだった。ほぼ半日位経って東京から連絡が入った。よかった某氏は無事だった。だが、な、なんとテヘランからの飛行機を乗り間違えたのだと言う。何はともあれ安堵の空気が流れた。
- 東京ではともかくこのサウジでは1日遅れなど誤差の内だからである。明日また迎えに行けば良いのだ。ところで、ダンマンに来るはずのフライトをどこ行きのフライトと間違えたのだろうか。後日判明したことだが、間違えて行った町はイラン南部のシラズという町だそうだ。それならやはり「ユクエシラズ」だった訳である!
>Top 2. 商社マン川柳<サウジ編>:
- サウジ季語、春・夏・酷暑また夏か
- カラオケは、ジュースと涙とためいきか
- ラクダ乗り、チップ取られてやっと降り
- ジプシーの胸にチップは十ドルか
- 日本食、キムチ・タクワン横並び
- ショーユかけ、これでいつもの日本食
- お祈りも、いつしか目覚まし懐かしき
- 片道の切符に込めた覚悟かな
- 見送りも逆もあるらんいつの日か
- サウジでは国中バンカー砂かじり
- 泡盛は、酒にあらずと通関し
- トンカツもビーフカツレツで通関し
- プリマハム、ビーフハムにて通関し
- カレンダー、水着は中に仕舞い込み
- 黒い布、のぞいて見たいやめとこう
- 炎天下、まずは一杯出入りに
- 炎天下、ドア開けるにもまず用心
- 炎天下、プール泳ぎも温泉か
- 本社より、なぜか冬来る出張者
- 支配人、では頑張ってと足早に
- ミネラル水、ガソリンよりも貴重品
- ガソリンは、半分・満タン同価格
- ラマダンは、なぜか腹減る一ヶ月
- 中東は、なかなか来ない後任者
- 辞令出て、胃潰瘍ならもう来るな
- 君いれば、後任者いらんと所長言い
- 甘党は、辛党よりも適任ぞ
- 肝炎も、ここなら治るサウジなら
- 差し入れに、ジェイルの内外区別なし
- ジェイルでは、地位役職の区別なし
- ジェイルでも、出張見なしで慰めて
- ジェイルでも、商売コネつけ商社マン
- ジェイル出て、まずは挨拶同室者
- ジェイル出て、こんな高官なぜ一緒
- ジェイルでは、格子の内外区別なし
- ジェイルでも、日報書けよと言い渡し
- ジェイル出て、無性に楽し仲間かな
- ジェイル出て、これも商社のひと仕事
- ジェイル出て、VIPの車の出迎えだ
- ジェイル出て、Vサインの誇らしさ
- ジェイル出て、ヒゲも男の守り神
- アラビア語、まずは値切りの数覚え
- インシャーラ、アラーがくれたアロワンス
- ブクラとは、いつの明日か明後日か
- カレンダー、刑期を示すバツ印
- インパキと、仲良くやろうぜサウジで
- コリアンか、言われる程に上達し
- さそりこそ、踏まれて怖い大男
- 土地勘がないとわかりにくいと思うので、ちょっと解説付きとします。
- サウジには冬がない。乾期とほんの短い雨期だけ。四季と言えば...
- サウジは外国人も含めご存じ厳しい禁酒国。日本人会のカラオケ大会があり、アップルジュースなどで酔ったふりして歌う。
- エジプトへプラントの応援出張した時の話。ラクダ乗りの交渉には気を付けて...
- エジプトやトルコにはすばらしいダンサーがいる。サウジからの出張者には目に毒である。
- サウジには、韓国料理屋に日本色もどきがある。
- どこへ行くにもショウユは持参
- 朗々としたアザーンのお祈りの声....
- 駐在員は、ご存知、片道切符を渡される。着任地の次のページはVOIDである
- 何十回もきた空港の見送り。そしていつかいつかはここから見送られる日が来るのだ!
- サウジ赴任ではフルセットをゴルフクラブを持参したが、サンドウェッジだけでも良かったかも
- プラントの工事のトビ職人が沖縄からやってきた。全く英語が通じないらしい。知らないことほど強いものはない。そしてその晩は久しぶりで泡盛で乾杯だ
- ロンドンのサウジ行きのフライト乗り場になぜがトンカツが売っていておみやげの定番になっている。通関が問題だが....
- 本社からのおみやげ希望No.1はプリマハム。でも通関が....
- 昔は伊藤忠の一枚もののカレンダーは着物編と水着編があった。水着カレンダーは中東では大人気。あれをやめたことで伊藤忠の商売もかなりのダメージだったはず。
- ごぞんじ外出する女性はブブカという黒い布で顔を覆う。若い人は心持ち薄い布でできている。
- 夏の昼間は40度以上。まず部屋を出るとき水一杯。到着したらまた一杯。
- そして炎天下の車のノブに触るとやけどする。
- ホテルのプールもあるにはあるが...
- 東京からの短期の出張者はなぜが冬に多い。そして曰く、「サウジって意外と過ごしやすいじゃないか?」.... 冗談でしょう
- そしてカイロからは偉い総支配人殿が前線視察される。足早に...
- 駐在していた頃はガソリンは18円/リットル。ミネラルウオーターは200円以上した。
- ガソリンスタンドで....おいおいガソリンが満タンでこぼれているぞ....そして値段はいつもなぜか同じ....安いからいいけど。
- ラマダンの一ヶ月はイスラム教徒は日の出から日没まで絶食。外人も隠れて食べる。なぜか食べることに執着する一ヶ月となる。人間っていやしいね。
- そうなんだ。後任者は決まっても健康診断とかビザとか引き継ぎとかなんとか言ってなかなかやって来ないのだ。
- そして某氏は胃潰瘍の診断で、三ヶ月毎にロンドンで診察する条件だって。小生も一次帰国時検査してもらったが全く問題なしで、いつまででもどうぞだった、がっくり。
- なかなか来ない後任者の件での、当時の所長の一言。これって慰めかな。
- 小生は下戸ではないが、酒よりむしろアイスクリーム派なのだ。
- そして酒好きの某氏、長く禁酒したので肝臓の調子も良いとのこと。思わぬ副次効果。
- そしてビザのトラブルや酒の検問でジェイル初体験の駐在員が出た。運不運としか言いようがないが...でもなぜかそれでも頑張る商社マン。
- ジェイルには欧米のマネジャーなどが入っている。部下の代わりに所長が代表で入ることもある。代表取られ締まり役という訳。
- 僻地出張手当は場所によってA,B,Cなどあるが、ぜひJ地域を作るべき。
- そしてジェイルの中は親しくなるので (他商社には知られたくないが実は) 商売の宝庫
- そして外に出ても、早速J地域出張の報告に同室の戦友を訪ねる。
- 相手は、普段ではとても会えない大物であることも
- サウジは実は出国ビザが必要でそれがないと外国へ行けない。つまり国自体がジェイル状況。となるのJの内側のさらに内側は外側となるのか....
- 貴重な体験はまず報告、物書きせにゃ...卑屈になるなよ。内の内は外なんだから。
- でもやっぱり外の空気はうまいのかな。
- 商社マンがメーカなどの代理でJ出張することが多く、その分ノウハウが貯まることになる。
- 出迎えの日は、一大イベントとなるので、当然所長の車が登場する。
- そして宇宙船の無事帰還となる。
- 小柄な色白の日本人は襲われる危険性あり。ヒゲを生やして男を主張すべし。
- アシャラ (10) と言われたらすかさずハムサ (5) とやり返し、タマニャ (8) で妥協するもやむなし。
- アラビア語のIBMの一番目、インシャ・アッラー (神の思し召し)という意味で「多分」などといい加減な意味では多分ないはず。
- ブクラは、スペイン語のマニャーナと同じ明日とい意味。でも暑いので明日も延びるかも。
- 部屋のカレンダーは毎日x印が増えることが快感となる。有限の刑期はうれしいね。今度駐在することがもしあれば、×印ではなく○印をつけよう!
- マネジャはなぜかパキスタン人かインド人。そのマネジャといかに仲良しになるかで商売が違ってくる。
- そして英語もうまくなり、たくましく交渉できるようになるとAre you Korean?のお褒めの言葉がもられる。
- さそりは夜行性。シートの下や靴の中に隠れるらしい。奴も人間が怖いんだ。
>Top 3. 商社マン川柳<豪州編>:
- 豪州は、海水パンツのサンタさん
- マンダイは、いつのことかと思いきや
- マイトとは、よくある名ではないらしい
- ライターは、さよならの合い言葉
- カンガルー、可愛い顔して突進し
- コアラにも、好き嫌いはあるらしい
- 昼はハエ、夜は蚊からと攻められつ
- 十字星、ひしゃくの代わりの道しるべ
- 月欠ける、逆さに見えるも時移り
- けもの跳び、鳥走る地の不思議かな
- 花・鳥も色鮮やかに競い合い
- 昆虫ものびのびとでかくなり
- みみずかよ、蛇と見まごうサイズかな
- かものはし、アヒルかイタチかアザラシか
- 有袋類、入ってみたい幼児なら
- Tボーンは、皿一杯でスモールかな
- 何魚、いつ聞いてもバラムンディ
- 醤油出せ、味付け不要だジャパニーズ
- アボリジニ、今描いても博物館
- 右ハンドル、真ん中通る田舎道
- ワインなら、ソフトドリンク昼間から
- 昼休み、会社の前で魚釣り
- ジャカランダ、花より美人のパレードだ
- ビル・プリーズ、勘定締めずまたビール
- ニュージーは、別の国でも忍び旅
- ニューカレは、天国よりも良いらしい
- エアーズとは、大きな巨人のへその山
- タスマンは、小さな島でも北海道
- 西豪州、火星に見えるどこまでも
- 蟻塚は、巨大建築クーラー付
- アリゲータ、クロコダイルとどう違う
- ウランかな、売るのは任せよ伊藤忠
- ニューマンも、売るのは任せよ伊藤忠
- 商社マン、ネクタイはずせば山師かな
- 鉱石よ、無事に着いてよ日本まで
- 米粒か、空より見える羊群
- そう、豪州のXマスは夏なのです。
- 一週間はマンダイから始まる。
- Thank you, mite.といつもmiteが付く。
- See you later.そうaはアイなのだ。
- カンガルー避けのごついバンパーがついてるでしょ。
- 動物園ではコアラのだっこサービスがあるが...
- そう田舎へ行くとハエや蚊の多いこと
- 南十字星を見なければ豪州の価値が....
- 南半休の月の満ち欠けを見てごらん。
- これはキャプテンクックの報告だったらしい。この変な大陸では獣が跳んで、鳥が飛ばずに走っている、と。
- そして色鮮やかな豪州の花や鳥などの自然。
- 大きな昆虫がいる。30cmもあるカマキリもいた。
- みみずは親指よりも太いやつ....
- かものはし(Platypus)は卵胎生の希少動物
- 有袋類はカンガルーやコアラ以外にも沢山いる。
- Tボーンステーキの小を注文したら皿一杯の大きささった。大は2階建てとのこと。納得。
- 魚の名前は少ない。日本語のニクみたい。
- ショウユは注文しないと出てこない。
- アボリジニーは昔風の絵をよくうまく描いている。彼らは現代人なのに...
- 豪州は英国や日本と同じ右ハンドルで左通行。でも田舎では...
- 海外出向先では昼休みはソフトドリンクのみ。但しワインはソフトドリンク扱い。
- 昔の伊藤忠シドニー店は波止場の目の前だった。
- 豪州では11月末に紫色のジャカランダが美しい。そしてジャカランダ祭りがある。
- Bill, pease. 多分Beerに聞こえるらしい。
- ニュージーランドは一応別の国なので、旅行するには許可がいる (ことになっている)
- ニューカレドニアはニッケル鉱石の島だが、天国に一番近い島と言われている
- Ayers Rock.豪州のへそ。世界最大の一枚岩と言われる。
- タスマニア島は、豪州のメルボルンの南側にある小さな島、といっても北海道ほどの小さな(?)島。
- 西豪州の赤茶けた大地は鉄分が多いせい。
- 北部にある人間よりも大きな蟻塚が一見の価値あり。
- 野生のワニも北部準州には沢山いる。
- 豪州のウランは伊藤忠は独占取扱
- Mt. Newman は最大級の鉄鉱山で伊藤忠と三井物産が出資
- そして当時は山師の商社マンが徘徊していた。
- 資源開発、開発輸入....日本が元気だった頃の流行語
- この羊の群れと赤い大地を見る度に、また豪州へやってきたと感激
>Top 4. 商社マン川柳<出張編>:
- TCを数えて寂し旅の宿
- 通訳はわからぬとこを口ごもり
- Good question! 時間稼ぎの常套句
- Good idea! まずはほめてさあどうしよう
- ドル札は領収書に早変わり
- DVD報告書中に挟み込み
- 雑誌買い硬軟硬と混ぜ合わせ
- 土産買い日頃の査定反映し
- ピアノバーここは原語でカンツォーネ
- チップ札見えるように折りたたみ
- 旅終わり報告よりも精算が
- 商談はこの握手のために出張し
- お勘定やけに重たいカバン持ち
- 英語ではやけに優しいメーカーさん
- スコアはクラブと時差が言い訳し
- 深夜便、家より待遇改善し
- 帰り便行きより英語滑らかに
- 赤風車、いつもアテンド十回目
- 赤風車、埃と香水かぶりつき
- ルーレット、夢を抱いてもう一度
- ルーレット、期待・幸運・後悔と
- ルーレット、与信限度の差が光り
- ルーレット、金髪じゃまする集中力
- ルーレット、乱数は余地できぬ
- ラスベガス、最後の夢とコインまで
- ワインバー、ボトルと人数競い合い
- 海外は、目標高くトイレでも
- トイレでは、足をぶらぶら黙考し
- 大ベッド、4回転でも落下せず
Traveler's Checkの枚数が少なくなると出張も終わりに...
- よく会議やプレゼンでは通訳させられた。
- 英語で質問されたら、まずこの一言。
- 英語で提案されたら、まずこの一言。
- みんな公費ならいいのだけれど...
- 何のDVDだろうか。でもなんとなく...
- 何の雑誌だろうか、でもなんとなく...
- お土産は、やっぱり忘れずに...
- NYのピアノバー。英語の歌のうまい奴がいるんだよね。
- チップも堂々とね。
- 報告書はばっちりなんだけど...
- そして商談もうまく行ったし...
- カバン持ちのカバンは段々重たくなる。
- メーカーのお偉いさんのアテンド
- 時差ボケ解消にとゴルフ場へ直行。駐在員は日頃の練習十分だし...
- 深夜便で仕事しているとスチュワーデスが親切にお代わりを...
- 出張中ずっと英語をしゃべっていたので...
- ムーランルージュって赤い風車のこと。
- これも某パリ駐在員の話
- ルーレットで回るのは小さなボールと夢
- そしていつも後悔で終わる
- 駐在員はなぜか強気。やっぱね。
- 勝てそうな状況になると金髪ウエートレスが酒を持参して邪魔する。
- ラスベガス空港の最後の最後まで...
- 人間には乱数はどうしても予測できない
- 空けたボトル数と人数は...
- トイレの位置が高いのか、足が短いのか
- 個室の方も位置が高い
- そしてベッドはでかい
>Top 0. プロローグ:
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>Top 1. 行方シラズの話:
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>Top 2. 商社マン川柳<サウジ編>:
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>Top 3. 商社マン川柳<豪州編>:
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>Top 4. 商社マン川柳<出張編>:
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