五、整理
なんだかんだ雑談していると、ビデオのダビングが終了したみたいだった。
「終わったぞ智津雄。ほら。」
嵐慈はダビングしたビデオを智津雄に投げ渡した。ビデオを渡されると、智津雄はすぐに鞄にしまった。
「んで、そのビデオは誰に見せるんだ?」
「いや…このビデオはまだ誰にも見せない。どうしてもやばくなったら見せる。」
「おいおい、助かりたくないのかよ〜。命がかかっているんだぜ?そんな甘いこと言ってんなよ。」
嵐慈はふぅ、と言いながら困った奴だ、というポーズをとった。
「別に甘いとかじゃねーって。ただこれ以上犠牲者は増やしたくないからな。」
その言葉に嵐慈はチクリとしたが、しかたなかったんだと自分に言い聞かせた。
「そんなことより、別の方法を考えよーぜ。」
智津雄はそう言って時計を見た。
「もう一時半か…。嵐慈、ワリィけど泊まらせてくれ。」
「ああ、いいぜ。本当はお前の家に泊まるつもりだったけど、俺んち来ちまったしな。」
「さんきゅ。」
一時半…行動を開始するなら明るくなってからがいい。というか明日は金曜で、一限から授業がある。しかし授業に出てる場合ではない。今晩のうちに、呪い解除方法を考え、明日の昼前には行動を開始するのがいいかもしれない。その旨を嵐慈に伝え、早速方法を考えることにした。
「うーん、何か手がかりとかあればなー。そういうのがないと何も考えつかないよ。解除方法っていってもなあー。」
智津雄は悩んだ。これはかなり難しいことだと思うと頭が痛くなってくる。
「そーいえばさー、俺達以外でこのビデオを見た奴って、やっぱ死んじまったんかなー?」
嵐慈が悩んでいる智津雄に聞いてみた。
「さあな、わかんねーなー。特にニュースとかに取り上げられたことないし。」
「でも、突然性器が破裂するんだぜ?取り上げられてもいい感じはするけどな。」
「…確かに、それもそうだな。だけど色々な可能性が考えられるぜ。例えば、その日にもっとすごいニュースがあったとか…、うまく呪いを解除したとか…。あとは…このビデオは嵐慈が見た人第一号だったとか…、実は嘘とか…。」
「嘘!?」
嵐慈がでかい声を出した。夜中なので余計にでかく聞こえる。
「いや、嘘ならいいなってことさ。…ん、待てよ…、香梨須マキって今何してるんだ?っていうか生きてるのか?」
智津雄は嵐慈を真剣な眼差しで見つめた。
「知らねーよ。だけど呪いの念をかけれるなんて…死んでいる以外考えられねーよ。『リング』もそうだけど、貞子は死ぬ前に、念でビデオん中に映像を入れたみたいだし…。貞子は超能力者だったけど、香梨須マキが超能力者なんて聞いたことないなー。」
「んー、なんか怪しくなってきたなー。俺達は本当に呪いをかけられてんのかな…。香梨須マキについて詳しく調べる必要があるみたいだな。生きているにしろ、死んでいるにしろ、俺達はちゃんと香梨須マキのことを知っとくべきだ。よし、さっそく明日過去のAV雑誌を調べて、香梨須マキのことが書いてある記事を探そう。」
智津雄は少し元気な感じではきはきとしゃべった。
「おう、それじゃあ俺も知り合いのエロ友達とかに聞いてみるぜ。」
「さんきゅー。そうしてくれると助かるよ。んじゃあ、そういうことで、少し睡眠をとっておこう。明日は忙しくなりそうだし。今二時だから…そうだな…八時には起きて行動開始だ。六時間も寝ればいいだろ。」
「そうだな、十分だ。よし、じゃあ寝ようぜ。」
嵐慈は散らかった物をどけて寝るスペースを作り掛け布団をかぶり、すぐ寝た。智津雄も嵐慈と同じようにスペースを作ると、かけ布団を借りて電気を消して寝た。一応目覚ましをかけておくことにした。
心身共に疲れていた二人はすぐにイビキをかいて寝てしまった。
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