キャッシュフロー計算書の間接法から直接法表示へ組み換えるー2
数値は、適当に作った数値です。
数値間のバランスや整合性は、考えていません
。 貸借対照表
資産 |
前期 | 当期 |
差額 |
負債 純資産 |
前期 | 当期 | 差額 |
現金預金 |
54,000 | 60.000 |
6,000 |
買掛金 |
30,000 |
27,000 |
-3,000 |
売掛金 |
50,000 |
55,000 |
5,000 |
短期借入金 |
10,000 |
10,000 |
0 |
貸倒引当金 | -900 |
-1,000 |
-100 |
未払法人税等 |
9,000 |
11,000 |
2,000 |
有価証券 |
15,000 |
7,000 |
-8,000 |
退職給与引当金 |
25,000 |
27,000 |
2,000 |
棚卸資産 | 25,000 |
15,000 |
-10,000 |
資本金 |
100,000 |
100,000 |
0 |
有形固定資産 | 100,000 |
120,000 |
20,000 |
利益準備金 |
8,000 |
8,000 |
0 |
減価償却累計額 | -40,000 |
-45,000 |
-5,000 |
繰越利益剰余金 |
21,100 |
28,000 |
6,900 |
合 計 |
203,100 |
211,000 |
7,900 |
合 計 | 203,100 |
211,000 |
7,900 |
損益計算書
売 上高 | 270,000 |
売 上原価 | 180,000 |
売 上総利益 | 90,000 |
販 売費及び一般管理費 | 45,000 |
人件費 | 30,000 |
退職給与引当金繰入 | 2,000 |
貸倒引当金繰入 |
100 |
減価償却費 |
5,000 |
水道光熱費 | 1,900 |
通信費 | 6,000 |
営 業利益 | 45,000 |
受 取利息・受取配当金 | 1,000 |
有 価証券売却損 |
800 |
支 払利息 |
500 |
経 常利益 | 44,700 |
固 定資産売却損 |
2,700 |
税 引前当期純利益 | 42,000 |
上記の貸借対照表、損益計算書から、間接法でキャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローを作ると、下のようになります。
なお、「+」は、キャッシュフローの増加、「-」は、キャッシュフローの減少を意味しています。
これを、直接法に変換します。
- キャッシュフロー計算書(間接法)
税 引前当期純利益 | 42,000 |
減価償却費 | +5,000 |
退職給与 引当金増加 | +2,000 |
貸倒引当金増加 | +100 |
受 取利息・受取配当金 | -1,000 |
支 払利息 | +500 |
有 価証券売却損 | +800 |
固 定資産売却損 | +2.700 |
売掛金増加 |
-5,000 |
棚卸資産減少 |
+10,000 |
買掛金減少 |
-5,000 |
小 計 |
52,100 |
直接法に変換するステップを、再掲します。
ステップ1.税引前当期純利益から営業利益を算出する
ステップ2.ステップ1で関係した項目の替わりに、売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を記載する
ステップ3.販売費及び一般管理費を、人件費とその他の営業費に分ける
ステップ4.非資金項目を、関係する項目に加算する
ステップ5.営業活動に関する資産・負債の増減額を、各項目で調整し、収入、支出を算出する
これに則り接明します。
ステップ1.税引前当期純利益から営業利益を算出する
営業利益=税引前当期純利益+固
定資産売却損+有
価証券売却損+支
払利息-受
取利息・受取配当金
=42,000+2.700+800+500-1,000=45,000
これは、損益計算書の営業利益と一致しています。
ステップ2.ステップ1で関係した項目の替わりに、売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を記載する
ステップ3.販売費及び一般管理費を、人件費とその他の営業費に分ける
売 上高 | 270,000 |
売 上原価 | 180,000 |
販 売費及び一般管理費 | |
人件 費 | 32,000 |
その他の営業費 | 13.000 |
人件費には、 退職給与引当金の繰入額が含まれている。
ステップ4.非資金項目を、関係する項目に加算する
売 上高 | 270,000 |
売 上原価 | 180,000 |
販 売費及び一般管理費 | |
人件 費 | 32,000 |
退職給与引当金増加 | 2,000 |
その他の営業費 | 13.000 |
減価償却費 | 5,000 |
貸倒引当金増加 | 100 |
ステップ5.営業活動に関する資産・負債の増減額を、各項目で調整し、収入、支出を算出する
売 上高 | 270,000 |
売掛金増加 | -5,000 |
営業収入 |
265,000 |
売 上原価 | 180,000 |
棚卸資産減少 | +10,000 |
買掛金減少 | -5,000 |
商品の仕入
支出 |
175,000 |
販 売費及び一般管理費 | |
人件 費 | 32,000 |
退職 給与引当金増加 | +2,000 |
人件 費支出 | 30,000 |
その他の営業費 | 13.000 |
減価償却費 | +5,000 |
貸倒引当金増加 | +100 |
その他の営業費支出 | 7,900 |
小 計 |
52.100 |
「+」は、キャッシュフローの増加、「-」は、キャッシュフローの減少です。
+は、支出の減少です。-は、支出の増加です。
間接法と同一の数字になりました。
上記のように、表現すると、損益と資金の関係が分かり、投資活動によるキャッシュフローと財務活動によるキャッシュフローを見る事で と、 稲盛和夫氏の言う「儲かったお金がどういう形で、どこに存在するのか、という ことをよく把握して経営する」ことが、できるのでは、ないでしょうか。