河南町から |
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記録:平成15年8月 2日 | |||||||||||||
掲載:平成15年8月12日 | |||||||||||||
志波姫町の農家 菅原 | |||||||||||||
史上稀な連続大地震が休日の宮城県を襲った。今回の連続地震は宮城県の遠田郡、桃生郡を中心に甚大な被害をもたらしたが、「本震を上回る余震なし」との私達人間の一般常識をぶち壊した意味でも改めて自然の恐ろしさを感じさせる出来事であった。 今回の震災で被害に遭われた方々に対し、一日も早く生活の場が復旧し、平穏な毎日が訪れること、この場を借りしてお祈り申し上げます。 さて、今回の地震は宮城県でも石巻市にほど近い河南町
8月2日、俺と「冬期湛水水田に集まる人間」の高奥君とで遠藤氏を訪れた。遠藤氏は今回の地震の震源地である旭山背後に在住しているため、自宅にも少なからず被害があったようである。しかし遠藤氏は何事もなかったように笑顔で俺達を迎えてくれ
それで、遠藤氏の冬期湛水水田である。もともと水田の耕作は作業委託していた遠藤氏であったが、本年より一部水田を自分で耕作することとした。
遠藤氏の自作一年目は冬期湛水不耕起により始まったが、不耕起水田での田植えについては専用の田植え機が必要である。そこで俺は志波姫から田植機を運び、遠藤氏の田植えを手伝った。田植えは5月25日であったから、通常より2〜3週間程遅い。 8月2日、遠藤氏冬期湛水水田の状況である。まず稲の生育状況であるが、田植えが2〜3週間遅かったため、背丈、分けつとも慣行栽培よりも遅れいる。が、既に皆さんもご存じのとおり、今年は冷害の気配濃厚であるゆえ、生育は少々遅れていた方が都合がよい。なぜなら稲の出
生育状況の遅れている遠藤氏の稲であるが、注目すべきは稲の開張状況である。上に広がらず、横方向に扇形に広がる姿、稲の理想形を実現しつつある。 つい2週間ほど前までは菅原水田に見劣りのした遠藤水田の稲であるが、着実に菅原水田に追いついている。いや、追いついているというより既に追い越されたと言うほうが現状を正確に表しているだろうか?
遠藤氏の冬期湛水水田で、もう一つ注目されるのが水の色である。写真のように黄金色に濁った色をしているが、これは光合成細菌が活溌に活動しているためと思われる。この光合成細菌は土壌に豊かに栄養分を与えてくれる。これが遠藤氏の稲を良好にしている原因なのかもしれない。
それにしても遠藤氏の水田には草が生えていない。俺の持論として「水田は人を表す」というのがある。小粒ながらも逞しく育っている稲、律儀なまでに草のない水田、好人物遠藤氏らしい水田である。 ちなみに俺の菅原水田、ホタルイが繁栄し、イボクサが闊歩する。少しばかり脇役の草達が活躍しすぎる感あるが、これは俺の徳(人徳、草徳?)をあらわしていると考えたい。 |
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