ニュータイプ出現

記録:平成16年 6月13日
掲載:平成16年 7月 5日
志波姫町の農家 菅原 
 
 「草だらけの田んぼ」昨年、俺の田んぼを見てそう言った人がいた。むろん俺はその言葉を否定するつもりはない。ホタルイを始めとして、イボクサ、ヒエ、コナギ、クログワイ、そういった雑草達
平成15年6月15日
イチョウウキゴケ水田のピッピ
が、俺の田んぼを賑わした。だから「草だらけの田んぼ」この言葉は、そのまま真実である。ただし、俺は「草も賑わう田んぼ」そう表現している。雑草も田んぼの仲間である。岩渕先生流に言えば「雑草多様性」という感じになる。だいいち稲だって草の一種であろうと思うのである。
 ちなみに、今年は、昨年には見られなかったニュータイプの草も出現してきた。サンカクイに、コウキヤガラ、それにオバケホタルイみ
平成16年6月13日
イチョウウキゴケ水田のピッピ
たいなフトイには吃驚させられた。何だか異様にでかいホタルイがあるなと思ったら、みるみるうちに1m以上に成長した。まるで成長ホルモンに異常をきたしたようである。
 それにしても、何でこういったニュータイプが突然出現してきたのか。考えられることは二つある。一つは、いままで地中に眠っていた草の種が発芽してきたこと。もう一つは渡り鳥が草の種子を運んできたこと。もっとも無農薬は昨年から継続しているし、渡り鳥だって一昨年から飛来してきていた。だから、なんで、今年なのかと思うのだが、と
フトイ
約1.2m(6/13)
りあえず俺の田んぼが彼らに乗っ取られない限り「雑草多様性」ということで、それも良しとしている。
 というわけで、基本的に俺は草の存在に寛容だ。正直言うと稲以外の雑草に田んぼの主役をクーデターされてはまずいと考えているが、そうならない限り、草の存在を否定するつもりはない。それに、俺の田んぼに関して言うと、雑草の種類こそ増えたが、量に関しては昨年より減っているように思える。今年の春は昨年より気温が高いように思えたが、それでも草の量が減ったのは、トロトロ層が昨年より厚みを増してきたためであろう。それともしかしたら俺が雑草達の存在を認めたことで、反抗精神旺盛な雑草達がやる気をなくしたのかもしれない。
 もっとも、雑草全体の量が減ったとはいえ、昨年より勢いを増している草もある。それがクログワイである。昨年の春までホタルイとクログワイの区別がつかなかったが、盛岡の伊藤先生から区別の方法を教えてもらい、区別が付くようになった。それで昨年の夏以降は注意してホイルイとクログワイを区別して見ていた。昨年にクログワイが繁殖していたのは「クログワイ水田」だけである。しかし、今年はこの水
6月13日、クログワイ水田の
クログワイ
田以外に「ホタルイ水田」「シャジクモ水田」「ヒエ水田」「アオミドロ水田」にも発生してきた。伊藤先生によるとクログワイは水田最強の雑草ということだから、ついに来るべき草勢いを増してきたかのかもしれない。ちなみに、クログワイは根茎で増殖するが、この根茎が美味とのことである。せっかくなので、稲刈りが終わったら根茎を掘り起こしクログワイの収穫際でも企画しようかなと思う。いちおう予約制にしておきますので、クログワイ収穫際に参加を希望される方は、お早めに参加申し込みをメールいただきたい。

 

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