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大河ドラマ「義経」

ストーリー

2005年3月27日放送
第十二回「驕る平家」(演出:木村隆文)

奥州・平泉。
義経(滝沢秀明)の屋敷では弁慶(松平健)三郎(南原清隆)次郎(うじきつよし)喜三太(伊藤淳史)らが薪割りなどに精を出していた。
義経忠信(海東健)は、忠衡(ユキリョウイチ)に主従で旅をした話を聞かせていた。
三郎が唄い、皆が和やかな雰囲気の中、突然国衡(長嶋一茂)が訪れて来る。
忠衡義経の屋敷を度々訪れていると聞いた国衡は、折あれば自分の屋敷にも来るよう告げて立ち去る。
国衡が自分の屋敷に人を招くのは初めてと驚く忠衡に、長男の国衡ではなく次男の泰衡(渡辺いっけい)が嫡男なのは何故かと三郎が尋ねる。
返答に困る忠衡を見て、義経は「詮索は無用」と三郎を嗜める。

義経主従は、出羽から越後へと何度目かの旅に出る。
山の中で休憩をする一行。
三郎が先日の藤原家の嫡男に関する疑問を持ち出すと、弁慶国衡の母が正室ではないからだろうと推測を話す。
頷いて肯定する継信(宮内敦士)忠信
そこへ、喜三太が近くに出湯(温泉)があるのを見つけて戻り、一同は喜ぶ。
そこへ1人の武者(小澤征悦)が現れる。
続いて馬に乗った女武者(小池栄子)も現れ、武者を追い回し「私という者がありながら、土地の女子に懸想など!」と武者に矢を投げつける。
武者は林の中へ逃げて行き、女武者も後を追い義経一行の前から姿を消した。
その後騎馬武者が現れ、義経らに2人のことを尋ね後を追って行く。
女武者の投げた矢を拾った義経の前に、逃げた武者が現れて一行に挨拶をする。
義経武者に矢を渡し、矢の出来を褒める。
弁慶にこの辺りに雨露を凌ぐ祠はあるかと尋ねられた武者は、自分達は信濃から狩りをしながら来たから知らないと答え去って行く。

夕刻、祠で次郎喜三太が夕食の準備をし、義経弁慶継信忠信は出湯から戻る。
そこへ辺りの様子を見に行った三郎が、土地の者からもらった栗を持って戻って来る。
三郎は昼間会った武者達と会ったと、義経に報告する。
武者一行は木曾に戻るらしく、逃げていた武者木曾冠者義仲といい、追いかけていた女武者義仲の妻の叔母にあたる者(側室の)だと、三郎義経達に話す。
それを聞いた義経三郎に、義仲一行と会った場所へ連れて行ってほしいと言い出す。
驚く三郎義経は、木曾義仲は自分の従兄弟だと告げる。
三郎の案内で、義仲一行がいた場所に赴いた義経主従だが、義仲一行は木曾へと出立した後だった。
従兄弟との巡り合いに義経の心は浮き立つ。

京。
都では火事が頻発し、その混乱に乗じて夜な夜な盗賊が横行していた。
都の人々は恐怖と不安を駆り立てられ、それは平家への不満となって燻り始めていた。
五足(北村有起哉)の仲間であるむじな(川島大)が、夜盗の嫌疑で捕らえられる。
時忠(大橋吾郎)の命により、むじな五足烏丸(高橋耕次郎)お徳(白石加代子)の目の前で手首を切り落とされる。
むじなへの処罰に怒った朱雀の翁(梅津栄)は訪ねて来たお徳に、平家に戦を仕掛け火を放つと声を荒げて話す。

お徳は密かに清盛(渡哲也)の屋敷を訪れ、最近の平家の横暴な所業についてや、棟梁である清盛が知らないでは済まないと苦言を呈する。
清盛お徳に、実は耳が遠くなっていて、聞こえない苛立ちで声を荒げてしまう自分に重盛(勝村政信)以外は物を言わなくなったと話す。
驚くお徳に、どうしたら良いかと尋ねる清盛
お徳清盛の耳役を側に置くようにと進言し、心当たりが1人いると告げる。
お徳清盛の耳役になるよう言われた五足は拒否するが、お徳から義経清盛の為、都の人々の為と説かれ引き受ける。
清盛の前に現れた五足は、清盛に請われ側に近寄る。
自分が清盛を殺すと思わないのかという五足の問いに、清盛は近寄った五足に自分を殺す気配がないと答え、五足は平伏する。

治承2年(1178年)秋。
徳子(中越典子)が無事に男児(言仁親王)を出産する。
時子(松坂慶子)は泣いて喜び、もし女児が産まれたら、男児として育てる覚悟だったと清盛に話す。
12月には言仁親王が正式に東宮(次期の帝)となり、平家一門の者にも新たに官職が与えられ、平家の権勢はここに極まった。
平家一門に従三位となった源頼政(丹波哲郎)を加え、内々の祝宴が行われる。
息子の維盛(賀集利樹)資盛(小泉孝太郎)が昇進したというのに、体調の優れない重盛を気にする清盛
はしゃいで「平家に非ずんば人に非ず」という時忠の言葉を、頼政は黙って聞いていた。

暫く後、重盛は病の床に着いた。
医者を断り頼るのは仏だけと出家した重盛は、見舞いに訪れた清盛後白河法皇(平幹二朗)や朝廷には気をつけるように、清盛は情けが深すぎると告げる。
重盛清盛が「髭切りの太刀」が偽物と知った時に荒らした庭を見て、清盛が夜叉を抱え込んでいることに気付き、代わりに自分が夜叉となって矢面に立とうと決心したと話す。
病は夜叉になった罰かと問う重盛に、ただ謝る清盛

治承3年(1179年)6月、摂政の藤原基実に嫁いでいた清盛の娘の盛子が亡くなり、7月には重盛が42歳で死去。
清盛は高野山に納める為に絵師に描かせた曼荼羅絵に、「自分もこの境地に入りたい」と五足に自分の頭部を切らせて出した血で、一筆朱を加えさせる。

宗盛(鶴見辰吾)重盛の死を目の上のたんこぶが取れたと喜び、白拍子の舞を見ながら祝い酒を飲む。
それを知った時子は激怒し、宗盛の行動が内々の信用を失うことになると叱責するが、宗盛には伝わらない。

法皇が亡くなった重盛の知行国を召し上げたことを知った清盛は、滞在していた福原から5000の兵を率いて上洛し西八条弟に入った。
慌てた法皇は、側近の静憲法印(壌晴彦)を使者として遣わせる。
清盛言仁親王徳子を手元に招いたことを含め、朝廷に対し恨みを抱き報復の心があるのではないかという静憲法印の問いに対し、清盛盛子重盛の領地を召し上げた法皇の所業について問い返す。
清盛は鹿ケ谷密議に法皇が関わっていたことを見抜いていると告げ、法皇の考え次第では重盛に代わって自分が鬼になると法皇に伝えるよう言い渡す。
その言葉の通り清盛は、藤原基房(中丸新将)の関白職を解き、法皇の側近39人を流罪にするという処断を下す。
そして法皇を鳥羽殿に幽閉し、院政を停止させる。
この一件に連座して平家の者によって殺された者も、十数人に及んだ。
12月になると清盛は、東宮の言仁親王の天皇即位に向けて動き出し、治承4年(1180年)2月、言仁親王は即位して安徳天皇となる。

平泉の義経には、都の騒乱のことはまだ届いていなかった。

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2005年4月3日放送
第十三回「源氏の決起」(演出:木村隆文)

奥州・平泉。
義経(滝沢秀明)秀衡(高橋英樹)から、清盛(渡哲也)が後白河法皇(平幹二朗)を鳥羽殿に幽閉し、平家が朝廷をほぼ掌握したことを聞かされる。
吉次(市川左團次)からの便りを泰衡(渡辺いっけい)から受け取った義経は、都の様子を弁慶(松平健)に聞かせる。

都では、源頼政(丹波哲郎)の嫡男の仲綱(光石研)の愛馬の「木下(このした)」を巡って事件が起きていた。
「木下」は名馬の誉れ高く、その評判を耳にした宗盛(鶴見辰吾)は、何度もその馬を譲り受けたいと申し出ていた。
泣く泣く愛馬を手放した仲綱は、父の頼政から相手が平家では仕方ないと諭される。
「木下」を手に入れた宗盛は、仲綱に散々焦らされた腹いせに「木下」を「仲綱」と呼び、馬の腰に「仲綱」と焼印をし、「木下」を見に訪れた人々の前で鞭で打ち虐める。
「木下」への仕打ちの酷さと仲綱への辱めを知った頼政は、自分は平家に従い従三位までなったが、清盛という大樹の影で息をしていただけだったと語る。
自分が生きていた証を得るために、平家に対し挙兵すると告げる頼政に従う仲綱
頼政仲綱は、法皇の第3皇子で生母の身分が低い為に親王宣下を得られず不遇に過ごす以仁王(岡幸二郎)を説得し、平家追討の令旨(皇子など皇族の命令を書いた文)を出させる。
頼政は各地に散らばる源氏に令旨を届ける役目を、義朝の弟である新宮十郎義盛(大杉漣)に命じる。
八条院蔵人という役職を任じられた十郎は名を源行家と改め、諸国の源氏のもとへ令旨を携え旅立つ。

鳥羽殿に幽閉されている法皇は、令旨の件が平家に知られた場合の自らの身を案じていた。
女房として法皇の側に仕えている丹後局(夏木マリ)は、平家と源氏のどちらの形勢が利になるか解るまで貝になるよう法皇に進言する。

熊野・新宮。
今まで身を潜めていた熊野の新宮に向かった行家は、旧知の武士や遊女らに令旨を見せびらかし、酒を飲んで大騒ぎする。

伊豆。
政子(財前直見)の婿となった頼朝(中井貴一)は、政子の父の北条時政(小林稔侍)の屋敷に住んでいた。
そこへ行家が現れ、頼朝以仁王の令旨を渡して挙兵を促す。
即答を避け、平家に知られると困ると行家を早々に追い返した頼朝は、自分は忘れられていなかったということを喜ぶ。
すぐにでも挙兵をと勧める時政だが、平治の乱で父の義朝を裏切った頼政を信用できない頼朝は慎重だった。
政子は即答を避けた頼朝を褒め、挙兵は時を待つように告げる。

奥州・平泉。
秀衡に呼ばれた義経は、源氏と平家が戦うことになった時はどうするかと尋ねられる。
源氏として戦うと答えた義経は、秀衡にそれは父と思った清盛に対して刃を向けることだと言われ困惑する。

伊豆。
北条家では時政を囲んで、挙兵について話し合いが行われていた。
日頃から争っている大庭家や伊東家を倒す好機と息巻く家人だが、兵の数が足りないと頭を悩ませる時政

信濃・木曾。
木曾(源)義仲(小澤征悦)と正室のの間に生まれた嫡男の義高(富岡涼)は、の叔母であり義仲の側室の(小池栄子)に厳しく育てられていた。
そこへ行家が現れ、義仲に令旨を渡し挙兵を促す。
平家を都から追い出し、都を自分のものにすると目を輝かせる義仲
保元の乱で父の為義を兄の義朝(加藤雅也)に殺された行家と、父の義賢行家の兄)を義朝の長男の義平に殺され、その義平を後で操っていた義朝を恨む義仲
同じように義朝を父の仇とする2人は意気投合し、頼朝義経ではなく自分達が源氏の頭になろうと誓い合う。

奥州・平泉。
行家義経のもとを訪れ、令旨を渡し頼朝と共に平家追討の先陣を切ってほしいと告げる。
平家追討の令旨に源氏の家臣の子である三郎(南原清隆)は1人喜ぶが、義経の表情は冴えない。
義経弁慶達に、母の常盤(稲森いずみ)清盛との間には姫が生まれていることを話す。
迷う義経弁慶は、都にいた時に平家から受けた仕打ちを思い出すよう告げる。
どんな仕打ちかと尋ねる次郎(うじきつよし)喜三太(伊藤淳史)は、自分が平家に頼まれ義経の命を狙ったことを話す。
苦悩する義経の心中を思い、弁慶達は言葉も無くただ義経を見つめる。

京。
熊野本宮から、行家以仁王の令旨を携えているとの知らせが平家に届く。
行家が熊野で見せびらかした令旨を見た者が、密告したのである。
源氏に対して平家追討の令旨が下されたと聞いた清盛は、検非違使(警察官と裁判官を合わせた役職)に以仁王を捕らえるよう命じる。
しかし、検非違使に頼政の次男の兼綱がいた為、令旨の件が平家に発覚したことはいち早く頼政に伝わる。
頼政以仁王を園城寺に移し、戦支度をするよう仲綱に告げる。
以仁王が屋敷から姿を消したという報告に、検非違使を疑う平家一門。
併せて兼綱の所在が不明という報告を受け、知盛(阿部寛)頼政のもとに兼綱の所在を尋ねに向かう。
火が放たれた頼政邸に着いた知盛は、戦支度の頼政を見て頼政謀反を知り、急ぎ清盛に報告する。
知盛重衡(細川茂樹)は、「木下」の一件が原因ではと宗盛を責める。
頼政の裏切りに激怒する清盛

奥州・平泉。
秀衡義経に、木曾や甲斐の源氏に動きがあると話す。
自分は源氏だから頼朝が挙兵すれば駆けつけたいと話す義経を、法皇清盛を侮ってはならないと諌める秀衡

伊豆の頼朝、木曾の義仲、平泉の義経、3人の源氏はそれぞれの思いを胸に決起の時を迎えようとしていた。

(一部敬称略)
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