メニューへ

大河ドラマ「義経」

感 想

2005年11月6日放送
第四十四回「静よさらば」

前回とは違う意味で、今回も面白かったです。
いつもと違う順番のクレジットに驚きましたが、「知盛(亡霊)」には笑いました。
「清盛(幻影)」と比べるとインパクトが弱い気もしますが(笑)。
今回は化け物だらけ亡霊や天狗や妖怪とバラエティー豊かな登場人物に加えて、ムササビや亡霊のCGと盛りだくさんで、笑ってツッコミ入れまくってと楽しい回でした。
ただ、それが大河ドラマとして良いか悪いかに関しては、ノーコメントということで(汗)。
まずは、亡霊の知盛。
亡霊になった知盛と生きていた頃の知盛のイメージが合わない気がしましたが、知盛1人ではなく平家の怨念が形になったと思えば問題無し。
しかし、知盛の亡霊が消えた後に横波で船が転覆しましたが、それって知盛を成仏できていないのでは?(汗)
それとも、メガンテ(byドラクエ)みたいなものでしょうか?(笑)
そして、ムササビCGと奇声と共に登場した天狗様こと鬼一方眼の美輪様。
いや〜、亡霊よりも笑わせてもらいました。
「もののけじゃ〜」と言いながら逃げる兵たちは正しいです(笑)。
でも、再び登場してくれて嬉かったです。
静御前、初対面のこの妖怪天狗様が怖くなかったのかな〜(笑)。
義経主従と共にするのは静御前だけですが、小説などでは他にも何人かの義経の正室や側室も共にしています。
原作の宮尾本では、他の女性たちに内緒で身軽な衣装を纏い、自分1人だけが義経主従と共に行けるように仕組む強かな静御前でしたが、このドラマでは良くできた女性として描かれています。
立派な人間として描かれると、逆に人間的な魅力が薄れる気がしますが・・・(汗)。
義経と静御前の今生の別れの場面が、想像していたよりもあっさりしていて驚きましたが、それは2人共すぐ会えると思っているから仕方ないですね。
正室の萌は今回でお別れ(涙)。
義経と萌は何の描写もなくいきなり良い関係になっていたので、感情移入ができなくて残念でした。
黄瀬川で義経と初めて会った頃を思い出した頼朝ですが、思わずまた回想タイム?と思ってしまった自分が怖い(笑)。
知康が鎌倉に来た時の、頼朝、広元、時政の3人の攻撃は面白かったです。
畳み掛けるように3人がかりで知康を説得していましたが、あれには知康は勝てないです(笑)。
全ての国や荘園に守護や地頭を派遣し、国や荘園の管理を手中をしたかった鎌倉は、結局、義経の都落ちを巧く利用してるんですよね。
今回の頼朝は、今までと一変して政治家として毅然としている迷いの無い頼朝で、見ていてスッキリしました(笑)。
ずっとこういう頼朝でいてくれれば良かったのに・・・(涙)。
次回でお別れになりそうな行家ですが、今まで義経を説得できた例が無いのに、今回も冒頭で懲りずに義経を説得しようとしているのが嬉しかったです(笑)。
浜に打上げられた時のざんばら髪の義経は格好良かった〜。
船の転覆後は、義経だけでなく郎党も大活躍で嬉しかったです。
襲われた義経、弁慶、静御前の前に、タイミング良く登場する忠信、三郎、次郎には笑いました。
義経たち3人の後を付けて来た、又は3人を待ち伏せしていた、そして、ここぞとばかりに出て来たという感じでしたから(笑)。
それから、静御前を人質に義経を捕らえようとした流れ者役の殺陣師の林さんがかなり怪しくて、妖怪の仲間に入れても良いのではと笑ってしまいました。
吉野でこの先の行き道を決める義経主従は、それぞれの個性が出ている良い場面でした。
この先の道が険しいと解り、すぐに静御前のことを心配する女子供に人気のある伊勢さん。
三郎の言ってる真意が解らない荒くれ者の海の男の次郎。
三郎が話してる途中に、三郎が静御前のことを気遣ってると気付く忠信(目線で表現する芝居に拍手!)。
そして、行き先の大嶺山が女人禁制ということで頭いっぱい状態の弁慶(笑)。
こういう描写を少しずつ毎回やってくれていればなぁ〜と、今更ながら思ってしまいました(涙)。
伊勢さんが次郎に対して、話しながらアイコンタクトをしているのに、まるっきり気付かない次郎が好きです(笑)。
静御前を護って都へ向かう次郎を気遣う伊勢さんと、伊勢さんに殿のことを託す次郎の友情も良かったです。
さすが、サブちゃんジロちゃんで1セット(笑)。
今回の伊勢さん。
またまた格好良い殺陣があって嬉しかったです♪
太刀と鞘の二刀流モドキは、伊勢さんの殺陣のパターンになったようですね(笑)。
怪しい林さんに止めの一撃を加えた伊勢さん、格好良かった〜(涙)。
麓の様子を見に行って報告したり、義経たちを逃がすために戦ったり、大台ケ原から熊野と聞いて道が険しくて静御前には大変とすぐ気付いたり、今回は伊勢さんを堪能できて満足です。
出番が多くても郎党の1人としているだけだったり、割りゼリフを言ってるだけというのに比べれば、出番が少なくてもちゃんと伊勢三郎というものを現してくれる方が嬉しいですから。
次回はあの屏風が登場するようなので楽しみです。

大河ドラマ「義経」メニューへこのページTOPへ

2005年11月13日放送
第四十五回「夢の行き先」

今回の主役は行家と義経主従と屏風(笑)。
行家と今回でお別れなんて淋しいです(涙)。
でも、最期まで行家のままでいてくれて嬉しかったです。
人を蹴落としても自分だけは生き残ろうと最期まで悪あがきする様は、見ていて気持ち良いくらいでした(笑)。
行家の言葉通り、後々頼朝にも災いは降りかかるのですが、行家がその言葉を叫ぶ時に、災いを振りかける側の時政が映っていたのが面白かったです。
時政といえば、頼朝や政子から離れた途端に人が変わっていて笑ってしまいました。
静御前を詮議する時の時政が、ちゃんと敵役していて良かったです。
頼朝は前回から政治家の頼朝になっていて、「これぞ天下の草創」と言い渡すところも格好良かったです。
迷って悩む頼朝は、無かったことにしてほしいくらいです(笑)。
法皇の狡さも、行家同様一貫していて良かったです。
今回、やっとこさ平泉行きを決意する義経(笑)。
師匠の天狗様に前回再会したので超能力が増したのか、遠く離れた静御前の声を聞き、布で隠された屏風に気付く義経には笑いました。
それなのに、法皇の悪巧みには気付かない(笑)。
義経と弁慶と伊勢さんの3人というのは、私の中でしっくりくる絵です。
弁慶は義経のことを気遣い、伊勢さんは静御前や次郎たちのことを心配する、そういう役割分担ができているところは感心しました。
でも、義経が熊野で都に入りたいと言い出す場面、その前の場面のパターンでいけば弁慶が危ないからと反対、伊勢さんが静御前らの情報が入るからと賛成するのではと思うのですが、逆になっていて笑ってしまいました。
静御前のお供組の忠信と次郎ですが、次郎は強過ぎです(笑)。
静御前の名前を叫びながら半狂乱状態で探し回る忠信、すごく良かったです。
そして、次回はついに・・・(涙)。
泣いて義経に詫びる次郎も良かったです。
許してもらった上に、苦労をかけたと優しい言葉をかけられたら泣いちゃうよね〜(涙)。
妊婦なのにお腹を殴られちゃった静御前ですが(汗)、時政から詮議を受ける場面は毅然としていて素晴らしかったです。
今回やっと合流できた喜三太と義久。
喜三太が「義経が父で静御前が母で皆が兄弟」と言うところは、思わず涙。
喜三太だけでなく、義経主従皆が家族をそれぞれに求め、その強い気持ちが今まで主従を支えてきたのですから・・・。
うつぼに気持ちを解ってもらえて、喜三太、良かったね〜(涙)。
うつぼは、吉次やお徳や朱雀の翁という都での義経親衛隊の人々との連絡係という役どころなんですね(笑)。
無意味な登場と思える回もあったけど、今回は義経に平泉行きを決意させる重要な役どころ。
ひょっとして、この場面のために、うつぼは平泉に「来ちゃったよ」だったのでしょうか?(笑)
今回の伊勢さん。
常に義経と行動を共にしているので、最初から最期まで出番もセリフも多かったです。
転寝している時の芝居は巧かったし、僧兵から義経を護って弁慶と立っている姿は格好良かった〜(涙)。
静御前たちの様子を見に行こうとするのを諦め、義経たちの後を追う時の辛そうな表情も良かったです。
ただ、伊勢さんの本音としては、静御前よりも次郎の方が心配だったのではと思ったり(笑)。
だって、平泉行きが決まって喜三太が静御前もと言い出した時は、イマイチ乗り気じゃなかったですから(汗)。
伊勢さんは都に入って情報集めや都入りの段取りをつけていたようですが、そういうところをもっと描いてほしかったな〜(涙)。
近江で都に入ると義経に告げる伊勢さんは、メチャクチャ格好良かった〜。
これぞ伊勢三郎って感じでした(笑)。
忠信と次郎が生きていると明るく皆に言う場面を見て、これが「ステラ」で南原さんが語っていた「伊勢三郎のプライド」なのね〜と納得しました。
あと、義経が屏風を見ながら夢の都の話をするのを聞いている伊勢さんの表情が、親や兄のような暖かい表情でステキでした。

大河ドラマ「義経」メニューへこのページTOPへ

2005年11月20日放送
第四十六回「しずやしず」

今回の主役は忠信と静御前。
兄の継信に続いて2人目の郎党との別れでしたが、違う意味で涙でした。
あの扱いは如何なものか(涙)。
今回ではなく、できれば前回のラストに持ってきてほしかったです。
忠信は根っからの武士ですが、それ故に次郎のようにお徳の元を訪ねることもできず、ひたすら静御前を探すことだけを考えていたのだろうと思います。
真面目なところが仇となって、あんな最期を迎えるなんて・・・(涙)。
伊勢さんの今から平泉に向かうという言葉を聞いて、嬉しそうに微笑む忠信に涙。
以前から、平泉行きを勧めていたのは忠信ですものね〜(涙)。
もう1人の今回の主役の静御前。
頼朝と対峙しても一歩も引かず、頼朝に義経への仕打ちは妬みや憎しみ?と問う場面、良かったです。
そして、生まれた赤子を取り上げられた静御前には泣かされました。
まさか、このドラマの静御前に泣かされるとは思いませんでした(汗)。
今回の静御前の演技は、今までの演技を帳消しにできるほど素晴らしかったです。
舞うための装束や鳴り物など用意できるのかと問うところは、都一の白拍子としてのプライドが出ていましたね。
静御前が舞う場面も良かったです。
桜、金粉に続いて、今回は紅葉が大量に舞っていましたが、相変わらず量が多過ぎです(笑)。
劇的だし映像的に美しいけど、左手を上げた途端に風が吹いて紅葉が乱れ舞ったのには、思わず笑ってしまいました。
今回の静御前の舞は3人の方が指導されていますが、そのうちの1人の野村万蔵さんは亡くなられた万之丞さんの弟さんなんですよね。
万之丞さんが告別式で八世万蔵を追贈された後、弟の与十郎さんが九世万蔵を襲名され、万之丞さんが担当される筈だった舞の指導をされている。
そのことを思いながら静御前の舞を見ると、また違う意味で感動してしまいました。
今回は静御前VS頼朝というより、静御前VS政子でした。
政子だって人の親ですし、娘の大姫のためには頼朝の命令を無視しても義経を鎌倉に入れようとするくらいですから、静御前の赤子を処分するのは嫌だったと思います。
静御前に責められても動じませんでしたが、男児と聞いた時の政子の表情がそれを物語っていた気がします。
今回の政子は単なる悪役ではなく、女として静御前に向き合う政子として描かれていて、とても良かったと思います。
都に帰すように進言する政子にあっさり頷く頼朝ですが、こういうところで頼朝は情の人というのを表現しているのかなぁと思いました。
個人的には、政子に静御前の産む子の処分を命じる頼朝の方が頼朝らしいと思うんですけど(笑)。
磯禅師も品のある聡明な女性で良かったです。
屏風が平泉にまでついて行くのには笑ってしまいましたが、義経主従と吉次たち都の義経親衛隊との別れの場面は見ていて淋しくなりました。
山伏姿を披露した義経主従6人ですが、義経と弁慶、三郎次郎、喜三太と義久と衣装の色が3つに別れているのに笑いました。
伊勢さん、次郎と同じで良かったね〜(笑)。
忠信を助けに飛び出して行こうとする次郎、すごく良かったです。
仲間思いというのもあるでしょうが、次郎が誰よりも忠信に対して責任を感じていたのだと思います(涙)。
義経主従が平泉へ行くので淋しがるうつぼを、失言で慰めてあかねに叱られる喜三太には笑いました。
今回の伊勢さん。
出番もセリフもアップも多かったですし、町人姿に山伏姿といつもと違う伊勢さんが見れて満足です(笑)。
お徳と並んでいる図も見れて嬉しかったです。
弁慶と共に常に義経を護るように立つ伊勢さんや、小屋の格子から外の様子を見る伊勢さん、すっごく格好良かったです。
外の様子を見る目の演技に拍手です。
次郎の頭襟(頭に着けてる六角形のもの)を直してあげている伊勢さんには笑いました。
あと、山伏姿で歩く場面で、ちゃんと愛用の毛皮を背負っているのにも(笑)。

大河ドラマ「義経」メニューへこのページTOPへ

2005年11月27日放送
第四十七回「安宅の関」

前回今回と、密度の濃いドラマが見れて嬉しいです(涙)。
同時に、どうして回によって落差が大きいのかと溜め息も出てしまいますが・・・(笑)。
今回は安宅の関の場面だけでなく、巴御前との再会や夢を語る義経主従と、最初から最後までドラマとして面白かったです。
音楽も効果的で良かったです。
まさに、「これぞ大河ドラマ!」という感じの回でした(笑)。
今回は何と言っても、富樫役の石橋蓮司さんが素晴らしかったです。
酔って若手に説教しても許せます(笑)。
湛増役の原田芳雄さん、土佐坊役の六平直政さんに続き、またまた1回だけのゲスト出演の役に素晴らしいキャスティングをするNHKに拍手です。
酔って登場することで鋭い人物とは見せず、徐々に切れ者ぶりを出していくところ、弁慶を少しずつ確実に追い込んでいくところ、見事でした。
そして、義経を打つ弁慶や黙って打たれ続ける義経の真意に気付き、涙するところも良かったです。
勧進帳を読む松平さんも素晴らしく、義経を打つ時の弁慶の辛さも十分伝わってきて涙してしまいました。
打たれている時の義経も、本当に辛そうで良かったです。
弁慶を始め伊勢さんたちは山伏に見えますが、義経だけは山伏に見えないところはさすがでした。
名乗る時も1人だけ「和泉坊にございます」と言ってますし(笑)。
あれは間違いなく疑われます。
義経を疑う富樫に義経が見えないようにするため、弁慶が身体を少しずつ横にずらしている細かさも素晴らしかったです。
泣いて詫びる弁慶に、言葉をかける義経を始め伊勢さんたちが、とても良かったです。
本当に義経主従は繋がりが深くて強いですね〜(涙)。
義経主従が新しき国での夢を語る場面は、結末を知っているだけに切なくて泣けてしまいました。
伊勢さんの妻が、イコールまごめになる次郎には拍手(笑)。
義久は妹の夫が伊勢さんで良いのか?(笑)
ただ、ムック本などで伊勢さんとまごめのエピソードがある筈だったと知っている人は良いですが、それらを知らない人には何故伊勢さんとまごめ?と疑問だったのではないでしょうか(汗)。
ついに、うつぼと結婚宣言をした喜三太や、喜三太の恋心を知っていて喜三太のカミングアウトに驚かなかった伊勢さんたちには笑いました。
でも、喜三太には誰よりも幸せな家庭を作って欲しいと思います(涙)。
郎党の話を聞いている義経の表情、穏やかで優しくてとても良かったです。
不動明王の描かれた巻物を見ながら義経とのことを話す弁慶を、嬉しそうに見ている次郎たちも良い仲間って感じで和みました。
久々というか、まさか出るとは思わなかった巴御前。
義経に気付く目の表情や、激しかった巴御前とは別人のような穏やかな演技が良かったです。
「もよ」という新しい名で、巴御前とは違う女性として暮らしているんだな〜と思える演技でした。
でも、去り際の「諦めぬことじゃ」と言う時は巴御前の表情で、すごいな〜と感心しました。
そういえば、出てた?という状態の鎌倉勢(笑)。
セリフ無しの政子には、思わず笑ってしまいました。
笑ったといえば、クレジット。
44話の殺陣師の方(流れ者)、前回の京言葉指導の方(都人)に続いて、今回は駿河ことば指導の方が役者として登場(笑)。
こういう遊び心は好きなので、見ていて楽しいです。
あと2回、誰が出てくるのかな〜(笑)。
今回の伊勢さん。
出番も活躍も多い上に、2度目のクレジット2番手で嬉しい回でした(涙)。
木こりの小屋に泊まる手配をして義経に褒められた時の笑顔、こちらも嬉しくなるような笑顔でした。
「さすが三郎」と、1番に伊勢さんを褒める次郎の笑顔も(笑)。
藤太の安宅の関の話を笑顔で聞きながら、微妙な表情の変化で「ヤバイな〜」という気持ちを表しているところはさすがでした。
唐突に出てきたまごめとの結婚話は無いよりは良いけど・・・、愚痴になるので以下省略(笑)。
弁慶が義経を打つ場面、次郎と共に喜三太と義久を止めながら自分自身も必死に耐えているところ、気持ちが伝わってきて良かったです。
しかし、本当に1つ1つの動きや所作がキレイですね〜。
あと、役者としての南原さんと小池栄子ちゃんの2ショットが嬉しかったです。

大河ドラマ「義経」メニューへこのページTOPへ

2005年12月4日放送
第四十八回「北の王者の死」

今回は藤原家当主の秀衡が主役。
高橋英樹さんの秀衡は、威厳があって懐が深くて本当に素晴らしかったです。
頭を剃って以前より年老いている秀衡なので、義経といると父と息子というより祖父と孫に見えてしまいました(笑)。
義経が秀衡に新しき国について語っていましたが、義経の考える新しき国は清盛の受け売りだけでなく、秀衡の国造りも基になっているんだな〜と改めて思いました。
自分と同じような考えを持つ義経を、秀衡が可愛いと思わないわけがないですよね。
しかし、義経に対して器が大きくなったという評価は甘い気がします(笑)。
頼朝が何故、奥州を手に入れることに拘るのか、源氏と藤原家との確執をもっと詳しく説明してほしかったです。
私は「炎立つ」という藤原家を描いた大河ドラマを見ていたので納得できるのですが、源氏と藤原家の確執を知らない人や歴史に詳しくない人のために、そういう部分をもう少し丁寧に描いていれば、頼朝が泰衡を攻める理由がより理解できるのではと思います。
そういう意味で、このドラマは不親切というか、描写不足というか、時間配分が間違っているというか・・・(笑)。
その頼朝ですが、今回も政治家として揺ぎの無い頼朝で良かったです。
しかも、秀衡の真意や、返書で泰衡の力量の無さに気付く切れ者ぶりを発揮(涙)。
これぞ頼朝という感じでした。
ヘタレの泰衡も、偉大なる父を持った息子の不幸が上手く出ていて、とても良かったです。
まさか、兄の国衡と弟の忠衡に、手をついて協力を頼むとは思いませんでした(汗)。
国衡と忠衡の態度も、この兄弟の違いを上手く表現していたと思います。
平家の宗盛、源氏の行家、そして藤原家の泰衡と、各一族に必ず素晴らしいヘタレがいることに拍手です(笑)。
その3人のヘタレが主要人物よりも魅力的に見えるのは、仕方ないことなのでしょうか(汗)。
清盛の屏風が出てくるのは解っていましたが、忠信が彫った仏像が出てきたのには驚きました。
上手い使い方するな〜(笑)。
義経に対する佐藤兄弟のお父さんも、抑えた演技で良かったです。
久しぶりに見れた都の3妖怪の悪巧みですが、解官された知康が未だに法皇の側にいるのにはビックリしました。
「のらりくらりで引き延ばそう作戦」は、まだ続いていたんですね(笑)。
静御前のことを報告しに登場する吉次ですが、あの態度は義経じゃなくても嘘だと気付くのでは?
というか、気付かない弁慶にビックリです(笑)。
弁慶といえば、いきなり髪の長い弁慶での登場も驚きましたが、ついこの間まで山伏姿で髪が長かったので、その長いままの状態でいるのが自然です。
今回、籠作りに参加する次郎には笑ってしまいました。
籠作りは、すっかり郎党の仕事になっているのですね(笑)。
次回はついに最終回(涙)。
1年間見続けた平家物語義経の物語、最期まできっちりと見届けたいと思っています。
今回の伊勢さん。
今回は出番もセリフも少ないですが、1話にあれだけ詰め込んでるんですから仕方ないです。
秀衡が倒れた時に驚く伊勢さん、格好良かったです。
あと、籠作りに参加せずに食料調達係に徹するところはさすがでした(笑)。
今回は本編より、予告編の伊勢さんの笑顔に尽きます。
あれはズルイです!(涙)

大河ドラマ「義経」メニューへこのページTOPへ

2005年12月11日放送
最終回「新しき国へ」

見たいような見たくないような、そんな気持ちを抱えたまま迎えた最終回。
全49回欠かさず見て、最期の最期にこんなに泣かされて、こんなに呆然とするとは思いませんでした(笑)。
今回の主役はもちろん義経主従ですが、泰衡もそうでした。
渡辺いっけいさんの泰衡はすごく良かったです。
頼朝からの書状にうろたえているところや、どんどん追い詰められていくところの芝居がズゴイ!
無表情で義経を討つ兵を集めることを命じる泰衡、怖かったです(汗)。
自分が殺すことを命じたのに、「お許しくだされ」と泣くヘタレ具合も素晴らしかったです(笑)。
義経と1番仲が良かった忠衡は、それが仇となって殺されてしまってかわいそうでした(涙)。
一緒に平泉から出ないかと誘ってもすぐに気付かない義経に、解るようにヒントを教えてくれる国衡は良い人だな〜(笑)。
好きだった朝廷の3妖怪も今回で見納め(涙)。
何としても生き延びようとする逞しさや強かさは、最期まで健在で嬉しかったです。
最期にお徳たちが出てくるところで、このドラマの原作が宮尾本平家物語だったことを思い出しました(笑)。
烏丸が琵琶法師になっていたのには驚きましたが、平家物語に琵琶法師は必需品ですからね(笑)。
またまた「来てしまったよ」状態で現れたうつぼですが、今回は喜三太の恋の相手や静御前の言伝を伝えるという役割で登場。
うつぼが加わった宴で奥州時代を思い出すなど、その登場は意味があったと思います。
ただ、決戦前に危ないからここを去れと言われた時に、「イヤだ」と言うのは如何なものか。
うつぼのことは嫌いではないですが、ちょっと腹が立ってしまいました(笑)。
「義経がいるから迂闊に兵を進められない」という説明ゼリフを、景時に言わせていたのは良かったです。
鎌倉にいる御家人の中で、景時は特に義経の戦法を知ってる人ですからね。
奥州に対して動かない頼朝をけしかける政子は、相変わらず頼朝の操縦が巧いですね〜(笑)。
頼朝が篭っている持仏堂の前を、時政と政子が笑いながら去って行く場面も、北条に力を握られている頼朝の立場を現していて巧いな〜と思いました。
最期に頼朝が泣くところでは、思わず泣いてしまいました。
ここで頼朝が泣くために、今までの悩む頼朝があったのですね(汗)。
ヤラれたな〜(笑)。
さて、今回の主役の義経主従ですが、決戦前に義経に出会ってなかったらと笑顔で話す伊勢さんや次郎たちに、まず目頭が熱くなりました。
晴れやかな表情で夜明けを見る義経主従は、とても格好良かったです。
あんなにたくさんの敵が相手では無理だろうと思うのですが、義経や伊勢さんや次郎の殺陣を見てると勝てそうな気がするからスゴイ(笑)。
死ぬ順は弱い順なのか、最初に絶命するのは鷲尾三郎義久。
義久の最期はあっさりとしているのですが、その分リアリティーがあって涙してしまいました。
伊勢さんと喜三太が、「熊」と呼んでいたのも良かったな〜(涙)。
2番目は喜三太ですが、矢を受けて倒れる喜三太を、荷物のように運ぶ弁慶には笑ってしまいました。
第1の家来の座に関しては、最期まで喜三太の中で拘りがあったんだなぁと改めて感じました。
それが喜三太のプライドだったのにと思うと、なおのこと弁慶に譲ると告げる喜三太に泣けました。
3番目は駿河次郎。
次郎が義経を庇って矢を受けるところは、継信へのオマージュかなと思いました。
次郎の死は壮絶の一言です。
血まみれになりながらも敵に向かっていくところが次郎らしくて・・・(涙)。
敵の兵に刺されて「義経様!」と叫んで花の中に倒れるところから、涙が止まらなくて困りました(汗)。
次郎とコンビ状態だった伊勢さんが斬られる場面が、次郎が敵の中で暴れている場面の間に挿入されていたのも良かったです。
4番目は伊勢三郎ですが、伊勢さんの最期はね〜・・・(涙)。
義経と目が会った時のあの笑顔、あれは卑怯というかズルイというか、あの笑顔でまず涙。
伊勢さんのカニの真似を見た義経の悲痛な表情で、涙が倍増。
そして、カニの真似をしたまま倒れた伊勢さんの笑顔がふっと消え、息絶えるところで号泣しました。
今回、1番泣いたところでした。
笑顔から真顔に戻る瞬間に、伊勢三郎の悲哀が凝縮されていた気がするんですよ。
それは、自分の役目を全うしようとする悲愴なまでの一途さであり、人を楽しませたり笑わせたりする人が持つ孤独のようなものではないでしょうか。
悲劇と喜劇は表裏一体だといいますが、あの笑顔やカニの真似があったからこそ、笑いの部分が滑稽であればある程、垣間見える哀しさが強調されて泣かされてしまうのだと思います。
持仏堂での義経と弁慶の別れにも涙しました。
矢を受けても、薙刀を振り回して敵を倒していく弁慶は、本来の弁慶らしくて素晴らしかったです。
義経が小刀で首を切った瞬間、血の代わりに光が出て真っ白になるまでは良かったんですよ。
だけど、その光がお堂の屋根を突き破っちゃうのはどうよ(怒)。
弁慶たちがそういう幻を見たというのではダメだったのでしょうか。
もうねぇ・・・、最初見た時は呆然としましたよ。
そして、2回目に見た時は腹が立ちました(笑)。
その後の弁慶人形も同じく呆然としましたが、お堂の屋根爆破に比べればマシです(涙)。
今回の伊勢さん。
最期なだけに、伊勢さんに関しても見所が多くて良かったです。
冒頭でいきなり走ってくる伊勢さんが格好良い〜。
夜明けを見ている時は烏帽子を被って髪を下ろしているのに、戦闘時にはいきなり髪を括っている伊勢さんには笑いましたが、あの髪型がすごく好きだったので嬉しかったです。
そして、何より殺陣が巧くて格好良かった〜!(涙)
間違って小刀を抜いた人とは思えません(笑)。
斬られても斬られても敵を倒し、最期には敵のノドを刺すところなんかすごい迫力でした。
弓を引く伊勢さんも見れて良かったです。
南原さんは俳優として伊勢三郎を演じきり、そんな俳優の南原さんを1年も見ることができて幸せでした(涙)。

南原さんを始め、キャスト、スタッフの皆様、1年間本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

このページTOPへ


第35話〜第43話の感想へ大河ドラマ「義経」メニューへ義経主従座談会・総集編の感想へ