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項番毎に月単位で1年かけて取材予定です。 |
今年は歴史的に水害に悩まされてきた平戸川(現在の印旛疏水路、通称「新川」)には大小の水門が存在する。この水門付近から新川風景を眺めてみることにしたい。 |
9月:雑草に埋もれる水門。 |
新川風景で最も緑が冴える時期、雑草に乗っ取られている水門があった。8月初期に刈られた雑草も1ヶ月でここまで伸びている。写真中央、新川対岸に小さく写っているのが桑納川に架かる富士美橋だ。これでこの水門の位置関係が明白だろう。 この水門の後ろには福祉作業場・新八千代病院と続き、国道16号線の米本団地交差点となる。 新川千本桜の「陽光」が成長した時は桜が似合う水門で紹介したい水門である。数ある水門でここまで雑草に乗っ取られる水門は他にない。(9月5日撮影) |
10月:八千代橋と水門。 |
コスモスが似合う水門で紹介する予定であったが、今年の新川土手はコスモスが少ない。何故だろう。新川左岸、八千代橋下流の水管橋手前の黄花コスモスは素晴らしかったが・・・。 しかし、秋晴れに輝くこの水門は八千代橋やふるさとステーション(写真:水門の上に映っている白い屋根の建物)がくっきりと映り新川風景にふさわしい。 水門のペンキの色に注目すると、城橋から八千代橋間の水門は白ペンキで他の水門は水色だ。気が付いてくれただろうか。この水門の後ろにはやはり集落があり、この関係は他の水門と変わらない。(10月3日撮影) |
11月:神尾橋と水門。 |
神尾橋上流にセイタカアワダチソウに囲まれている水門がある。セイタカアワダチソウが似合う水門では長すぎるので「神尾橋と水門」とした。セイタカアワダチソウは一時期、猛繁殖し新川土手も一面征服されるかと思ったが、数年でその勢いが止まった。その理由は根から植物が生えなくする成分を出し勢力を反映させた結果、その成分が自らの繁殖も妨げることとなり衰え、撲滅の危機寸前となった。が、自らの変革で現在の姿になった。自然の力、生物の繁栄競争力のすごさに驚くばかりである。 この水門も新川土手の散歩では目に付きやすい綺麗な水門の一つである。ここからの神尾橋も絵になる。写真左手に映っている民家は以前釣堀があった場所とのこと。新川は釣りの名所でもあるが以前(30数年前)は釣堀の名所でもあった。現在ある釣堀は八千代橋麓の一軒だけだろう。時の流れは生物の姿も風景も変えていく。(11月1日撮影) |
12月:大和田排水機場。 |
新川にある水門は全て紹介したつもりである。最後は新川の歴史を背負う「大和田排水機場」がふさわしいだろう。江戸の町の治水事業から始まる利根川水系に掛かる水害の被害は印旛沼を通し、この平戸川まで及び村人を苦しめた。印旛沼の方水路として花見川に放水する工事は江戸時代から続き、3度の失敗を繰り返しながら昭和41年(1966年)に完成した大和田排水機場でようやく実現した。300余年も続いた挑戦である。この印旛方水路が属名『新川』である。 左側の写真が花見川側から撮影したもの、左側が新川側からのもの(12月4日撮影) |