米粉が広げる食の幅 |
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記録:平成19年4月3日 | ||||||||||||||
掲載:平成19年4月3日 | ||||||||||||||
栗原市志波姫の農家 菅原 |
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「減反(げんたん)」という言葉がある。これは「反(作物の作付け面積)を減ずる」との意味だが、通常はお上からの「需要以上に稲作をしてはならぬ。」というお達しを意味して使われる。 過去を遡れば昭和40年代まで日本は食料増産に努め
この「ゲン!タッ〜ン!」といった感じの響きがある言葉は、少なからず稲作農家の心胆を寒からしめてきた。 例えば仮に2.0haの田んぼを持っていたとする。この場合、0.6haほどの面積は稲作をしてはならぬ、と言うのが減反の要諦で、各農家一律に一定割合ずつ減反面積が求めらてきたのである。そしてそれ以上の作付けをした場合、そこから収穫される米は「闇米」と呼ばれ、これを出荷するとお巡りさんにお世話になる時代もあった。
そんな感じだから、農家の子供がサンドイッチなんかを食べていると、おもむろに爺様方が現れてきて 「なんだ、おめえら、米食えよ「米」!」 などと始まり、稲作農家の「食農教育」が
この爺様と嫁さん、いずれに大義があるのか俺には判断つきかねるが、いちいち「減反」やら「米需要」やらと理屈をこねながら食事をするのはあんまり愉快なことではないであろう。そして、だいたいにして、俺にしたってパンも好きだし、ケーキも好きなのである。そんなことを考えていたら、 「なんだ〜、だったら、米でケーキやパンを作ったらイイジャン!」
さて、今回の本題は農家よりもっと切実な状況で、食の幅が狭まっている方々についての話である。 アレルギーというものがある。一般的には何か特定の食べ物や物質に反応して、痒くなってくるやつであるが、この俺も、若干だけ花粉症がある。また、だいたいの稲作農家は先に述べたような「減反」アレルギーにかかっており、そして有機稲作農家の中には減収アレルギーや雑草アレルギーに罹っている方々もいるが、これについて俺は割と「鈍感力」がある。もっとも限度もあることはある。 ついでに言うとエネルギッシュな顔をしながら「俺は女アレルギーだからな。」などと、アリバイ作りに精を出す農家もおり、こういったあまり深刻さを感じない方々の話はさて置いて、食物アレルギーの悩みを持つ方々についてである。このアレルギーの度合いが増すと、時として呼吸困難に陥り命の危険にさらさられることもあるそうだから深刻である。
いわゆる「小麦アレルギー」というのがある。こういった方々は、身体的理由からパンやケーキが食べられず、家庭内ポリティックからパン食がはばかられる農家に比較すれば、その深刻の度合いは、はるかに大きいであろう。 そんな方のお話を先日、遠藤先生から聞かせてもらった。遠藤先生の剣道の教え子に、関東に嫁いだ方がいるそうだ。その子供さんが小麦アレルギーのようで、パンもケーキも食べられないとのことである。育ち盛りゆえに、いろいろ甘い物も食べたい年頃であろうが、これが食べられないのもかわいそうな話である。 そう思った遠藤先生が、その教え子に米粉クッキングを紹介した。そうしたところ早速、パンやケーキをクッキングし、子供達も大喜びだったそうである。 現在では様々な食材のアイテムとしてこの米粉を使っているそうですが、これが保育園の調理師さんの耳に入り、皆で食物アレルギー子供向けメニューの開発をしようと盛り上がっているとのことである。
「ガンヅキではないね。」 などと評していたが、ガンヅキとは東北地方に昔からある蒸しパンのようなお菓子で、モッチリ感がある。過去にまだ米粉パンが試作段階にあった頃、高奥君が展示場でそれを試食し、その食感がだんだんと口の中でガンヅキに変化していった経験を踏まえて、以上のように評したわけだ。
ガンヅキみたいな米粉パンも魅力ではあるが、写真のケーキはそうはならず、これはクッキングを行ううえでのいろいろな秘術があるのだろうと想像される。ちなみにこのケーキもメードイン「菅原商店の奥さん」である。 また、ケーキの材料となった米粉は、俺と伊豆沼近隣で冬水田んぼに取り組む「冬水田んぼクラブ」の規格外米から加工した「しっとり米粉」を使っている。ほんで菅原商店さんには、いろいろお世話になっているのでこの商品をPRさせていただく。 米粉のレシピを綴る菅原商店おかみの「啓子の部屋」 新しき米食文化のクリエイター「菅原商店の米粉」 (注)上記に掲載する写真は全て「啓子の部屋」及び「菅原商店の米粉」から借用し掲載させていただきました。 |
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