別役村の歴史１
安芸市別役
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「高知県の地名」 日本歴史地名大系 ４０ 平凡社 p.170 p.191 p.59
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別役村 べっちゃくむら (現)
香宗(ｺｳｿｳ)川最上流部にある山村で，末清(ｽｴｷﾖ)村の北東にあたる。
「土佐州郡志」は「縦二十町余横二町余」と記す。嘉吉三年(1443)十月五日付専当外十二名連判状(安芸文章)
の名主連署の中に「別役」の名がみえるのがはやいが、南北朝時代にはすでに別役名が成立していたのは確実
とされる。
江戸時代の別役村は，天正十六年(1588)の「大忍庄地検帳」にみえる東別役ﾉ村・北谷(ｷﾀﾀﾞﾆ)村の地にあたり、
検地面積七町九反余で，論所二五代のほかは別役三吉郎ら九名の給地。屋敷数二一、うち居屋敷二。
寺は北川寺・玉林庵がみえる。「元禄地払帳」では東川惣分のうちに一括される。「寛保郷帳」では戸数一二七、
人口六七九、馬五、牛七、猟銃二一。「南路志」は社寺として三方荒神（現竃戸神社）・若宮大明神・大宮大明神
ほか八社，退転した玉林寺を記す。
明治十一年(1878)当村など旧東川(ﾋｶﾞｼｶﾞﾜ)の諸村は東川村となった。
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東川別役城跡 ひがしがわべっちゃくじょうあと (現)
別役の東部字土居(ﾄﾞｲ)にある。土居を通る道の北に樹木に囲まれて八幡宮(竃戸神社)が鎮座するが、その下に
大門の跡と伝える地が有るのみで遺構をとどめない。城跡は民家となっている。
長宗我部時代の城主は別役三吉郎義重、または別役左右衛門左といわれる。別役氏は在原氏(橘氏とも)の後裔と
いわれ、初め七左衛門重忠が東川別役城のほか奥西川(ｵｸﾆｼｶﾞﾜ)にあった別役城、中西川にあった大森(ｵｵﾓﾘ)城の
城主でもあったという。
その子七郎兵衛勝久が槇山(ﾏｷﾔﾏ 現物部村)の小松氏の
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奥西川村 おくにしがわむら (現)
香美郡物部(ﾓﾉﾍﾞ)村舞川、安芸市畑山(ﾊﾀﾔﾏ)
岩改(ｲﾜｶｲ)村の東に広がる山間の広域村で、南西は中西川(ﾅｶﾆｼｶﾞﾜ)村 (現
(722㍍)などがある。
「土佐州郡志」は奥西川として文代・頓路・左食・本田・大谷・久保川・西別役・半名・当家・長谷・舞之川の
各小村を記す。
中世は大忍(ｵｵｻﾄ)庄のうち西川とよばれた地の東部を占める。天正十六年(1588)の大忍庄地検帳の五帳目に記載がある。
地積は計二十一町一反余、別役三吉良ほか五名の給地。屋敷数は五十二で、うち居屋敷七。当時の神社として
七社神社・雨ｶ社、寺院は丸ツカ寺・祐栖庵が記される。
小字ツカノモリに長宗我部氏の武将別役三吉郎の居城奥西城 (別役城・嶽城) 跡があり，崖下の同人の墓や壕の遺構も
残る。
昭和三十年(1955)の
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別役村 べっちゃくむら (現) 安芸郡東洋町野根(ﾉﾈ) 別役
中村の西南方、野根川支流別役川をさかのぼった山間の新田村。
白浜村の開発者明神忠右衛門の次男伊信彦右衛門が開き、この地百八十石と
知行地として天和二年(1682)藩留守居組に加わり、のち馬廻格に進んで野根在番役も勤めた。
村は別役の名のとおり明神家の知行所として野根郷中でも別扱いにされ、名本は置かず、組頭が明神家の差配人を
兼ねたらしい。
村高百八十石のうち百石分は、谷川のはけ水が激しいため早くから荒川成となり、残る八十石に十石たらずを
開き加えて二十数戸が生活していた。
災害を受けやすいやせ地であったが、郷中最大の留山があり、渡世のため順次差明けられたので、山仕事が重要な
生活の支えとなったと思われる。嘉永六年(1853)の諸差出文書によると牛二頭に対し馬十五頭で、保作木搬出用を
かねて馬が多く飼われていた。
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